【6月7日 AFP】イラン政府は7日、ドナルド・トランプ米大統領がイランなど12か国からの入国を禁じる布告に署名したことを「人種差別主義」の表れだと非難した。

トランプ氏は4日、コロラド州で行われた親イスラエル集会への放火事件を受け、国家安全保障上の理由から12か国からの入国を禁じる布告に署名した。

イラン外務省の在外イラン人問題局長を務めるアリレザ・ハシェミラジャ氏は同省の声明で、6月9日に発効するこの措置について、「米国の政策立案者の間に(白人)至上主義と人種差別主義がまん延していることを明確に示すものだ」と主張。

この決定は「米国の政策決定者たちのイラン国民とイスラム教徒に対する深い敵意を示している」と付け加えた。

イラン以外に入国禁止の対象となるのは、アフガニスタン、ミャンマー、チャド、コンゴ共和国、赤道ギニア、エリトリア、ハイチ、リビア、ソマリア、スーダン、イエメンの11か国。他に7か国からの入国も制限される。

ハシェミラジャ氏は、入国禁止措置は「国際法の基本原則に違反し」「何億人もの人々から、国籍や宗教のみを理由に渡航する権利を奪う」ものだと批判。入国禁止措置は差別的であり、「米国政府は国際的な責任を負うことになる」と警告したが、詳細は明らかにしなかった。

イランは1979年のイラン革命直後に米国との外交関係を断絶。以来、両国間の緊張が続いている。

米国は、イラン国外で最大の同国人コミュニティーを抱えている。イラン外務省の統計によると、2020年時点で約150万人のイラン人が米国に在留していた。(c)AFP