【6月6日 AFP】イスラエル軍は5日夜、レバノンの首都ベイルート南郊を空爆した。標的は、イスラム教シーア派組織ヒズボラの無人機(UAV)工場とされ、攻撃の直前には住民に対し避難を呼びかけていた。

軍の警告を受けて多くの住民が避難し、周辺の道路では渋滞もみられた。攻撃を受けた地域から立ち上る煙が首都ベイルート市内からも確認できた。

レバノンの現地メディアは、空爆は少なくとも12回に及び、そのうち2回は「非常に激しいものだった」と報じた。AFP記者も大きな爆発音を少なくとも2回聞いたという。

イスラエル軍はSNSを通じ、「テロ組織ヒズボラ関連施設の近くに住む住民」に対し即時の避難を呼びかけ、その約2時間後に空爆を実施した。また別の声明で、「民間人が居住する地域の中に意図的に設置されたUAV製造用の地下施設」を標的にしたと明らかにした。

国連のレバノン特別調整官はX(旧Twitter)で、今回の攻撃が「新たな恐怖と不安を引き起こした」とし、「敵対行為の停止をさらに損なう可能性のある行動をやめるべきだ」と訴えた。

レバノンのジョゼフ・アウン大統領は、「イスラエルの侵略」であり、11月27日の停戦合意に対する「明白な違反」だと非難。イスラム教の祝祭「イード・アル・アドハ」の前夜に攻撃が行われたことにも言及した。ナワフ・サラム首相も、攻撃は「レバノンの主権に対する重大な侵害」であり、2006年の国連決議にも違反していると非難した。(c)AFP