【6月6日 AFP】ドイツのフリードリヒ・メルツ首相(69)は5日、ドナルド・トランプ米大統領(78)とホワイトハウスの大統領執務室で会談し、ウクライナ問題をめぐる意見の相違にもかかわらず、ほぼ無傷で乗り切った。トランプ氏は、ロシアのウクライナ侵攻を子ども同士のけんかになぞらえ、「しばらく戦わせておいた方がいいこともある」と述べた。

就任1か月のメルツ氏はトランプ氏の機嫌を取ろうと、1869年にドイツで生まれたトランプ氏の祖父フリードリヒ・トランプ氏の出生証明書のコピーを額装したものを贈呈。

さらに、トランプ氏をウクライナ紛争終結における「世界のキーパーソン」と称賛。同氏が「ロシアに圧力をかけることで、今こそ真の終戦が実現できる」と続けた。

これは、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻で始まった紛争が3年以上続く中、対ロシア制裁発動を嫌がるトランプ氏を動かすための苦肉の策だった。

丁寧な会談は、トランプ氏がウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領や南アフリカのシリル・ラマポーザ大統領に仕掛けたような奇襲攻撃を回避しようと、保守派のメルツ氏が十分な準備をして臨んだことをうかがわせた。

だが、両者の意見は必ずしも一致しなかった。