中国人民銀行、融資制度の強化で中小企業支援 中国経済円卓会議
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【6月6日 Xinhua News】中国の金融管理部門はこのところ、包括的な金融政策を打ち出し、市場の安定と期待の安定に向けた強いシグナルを発している。中国人民銀行金融研究所の丁志傑(てい・しけつ)所長は新華社が5日に配信した有識者が経済問題を議論する番組「中国経済円卓会議」で、金融政策の支援の下、金融機関が実体経済に投入する資金規模は継続的に拡大し、中小企業に対する融資支援は大幅に強化されていると述べた。
丁氏は、中国人民銀行が最近、預金準備率を0・5ポイント引き下げるとともに、政策金利を0・1ポイント引き下げ、構造的金融政策ツールの金利も全面的に0・25ポイント引き下げたと紹介。これらの政策は、金融機関が実体経済に投入する資金規模の拡大、企業の資金調達コストの低減、さらには企業の生産・経営の安定性向上に寄与すると指摘した。
丁氏は「公表されたデータによると、現在、市場の流動性は十分高く、通貨と融資は妥当な伸びを維持しており、中小企業に対する融資支援は顕著に強化されている」と指摘。4月末時点で小規模・零細企業向け包摂融資の残高は前年同期比11・9%増の34兆3千億元(1元=約20円)で、同期間の各種融資の伸び率を上回ったとし、中でも「専精特新(専業化、精細化、特色化、斬新化)」の特徴を備える中小企業への支援が特に目覚ましいと紹介した。
こうした動きと共に、実体経済の資金調達コストは大幅に低下し、企業、特に中小企業の利息負担は引き続き軽減されている。データによると、3月に新しく実行された小規模・零細企業向け包摂融資の金利は約3・6%で、前年同月比0・55ポイント低下した。
中国人民銀行はこのほど、科学技術イノベーションと技術改良への再貸出枠を3千億元増額し、農業・小規模企業支援の再貸出枠も3千億元増やし、構造的金融政策ツールの金利を全面的に0・25ポイント引き下げ、加えて新たにサービス消費と介護への5千億元の再貸出枠を設けるなど、内需拡大に向けた一連の構造的金融政策ツールを打ち出した。
丁氏は、これらの措置により、既存の政策ツールの資金規模が大幅に拡大し、その資金調達コストが適度に低下することで、銀行の農業・小規模零細企業、民間企業に対する貸出投入の拡大を支援し、重点分野における消費と投資の拡大を促進できるとの見方を示した。(c)Xinhua News/AFPBB News