韓国水力原子力、チェコ新規原発事業の契約締結…優先交渉対象選定から9カ月
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【06月06日 KOREA WAVE】韓国水力原子力はチェコのドコバニII原子力発電所(EDU II)と4日(現地時間)、新規原発事業の本契約を締結した。
これに先立ち、チェコ地裁は先月6日、チェコ新規原発事業の入札競争企業であるフランス電力公社(EDF)の訴訟提起により、契約締結を禁止する仮処分命令を出していた。発注者であるEDU IIと韓国水力原子力はこの決定に対し、チェコ最高行政裁判所にそれぞれ控訴し、この日、最高行政裁判所が仮処分を最終的に破棄したことで契約締結が可能となった。
今回の契約により、韓国水力原子力はチェコのドコバニ地域に出力1000MW級の韓国型原発「APR1000」を2基供給する。2024年7月に韓国水力原子力が優先交渉対象者に選定されて以来、EDU IIと約9カ月にわたって技術・商業交渉を重ね、今回の契約が成立した。
チェコの新規原発契約は、大韓民国の原発輸出の歴史において、アラブ首長国連邦(UAE)のバラカ原発に次ぐ2番目の成功事例で、かつて欧州型原発を導入していた韓国が、今や欧州に原発を輸出できる国へと成長したことを示している。
◇チームコリアとともにドコバニ5・6号機を建設
韓国水力原子力は主契約者として、「チームコリア」に属する韓電技術(設計)、斗山エナビリティ(主要機器・施工)、大宇建設(施工)、韓電燃料(核燃料)、韓電KPS(試運転・保守)などとともに設計・調達・建設(EPC)、試運転および核燃料供給など、原発建設に関わるすべての業務を提供する予定。
韓国水力原子力は、2024年7月17日に優先交渉対象者として選定された直後、交渉専任組織を編成し、EDU IIとの本格的な契約交渉に着手した。過去9カ月間にわたり、計200回以上にわたる分野別の協議を開催した。
2024年11月には、EDU IIの交渉団約60人が韓国を訪れ、韓国水力原子力と対面で交渉し、最新の国内原発の運営・建設の現場を視察した。続いて12月には、韓国水力原子力本社で品質保証監査が実施された。両者はプロジェクトの成功的な遂行のために継続的かつ緊密に協力した。
韓国水力原子力とEDU IIは、2025年3月末にすべての交渉を最終的に完了させた。
◇ドコバニ現地に建設事務所を開設予定
韓国水力原子力とEDU IIは今後、着手のための会議を開催したのち、本格的にプロジェクトの遂行に入る。これとあわせて、韓国水力原子力はチームコリア(韓電技術・韓電KPS・韓電燃料・斗山エナビリティ・大宇建設など)と、各担当分野ごとに下請け契約も締結する。
また、チェコ原発事業への参加を希望する国内原子力産業界に向けて、今年中に2回にわたり、有資格供給者登録手続き、補助機器リスト、品質および技術基準などを案内する説明会を開催する。
韓国水力原子力は、事業の安定的な着手のため、交渉段階からプロジェクト文書・認可・工程などを管理する建設情報システムの構築に着手していた。ドコバニ現地には建設事務所を開設する予定で、今後は専門性と能力を備えた派遣人員を選抜し、敷地調査を含む主要な事業初期業務を迅速に進めるなど、事業履行に万全を期す。
(c)KOREA WAVE/AFPBB News