米判事、国外追放されたベネズエラ人に適正手続き認めなければならないと判断
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【6月5日 AFP】米首都ワシントンの連邦地裁のジェームズ・ボースバーグ判事は4日、ドナルド・トランプ政権に対し、不明瞭な戦時法である1798年敵性外国人法に基づいて国外追放されたベネズエラ人100人以上について、凶悪なギャングの構成員であるという容疑に異議を申し立てることを認めなければならないと判断した。
ボースバーグ判事は非常に批判的な意見の中で、米政府は移民が国外追放に異議を申し立てることを「容易にしなければならない」と述べたが、具体的な措置には言及しなかった。
同判事は、当初の移民追放便に反対する判決を下した後、広範な行政権を行使しようとする試みを阻害したとして、トランプ大統領の怒りを買っている判事の一人。
ボースバーグ判事は4日、敵性外国人法を利用して移民を国外追放することの合法性については判断を下さず、追放の対象者がギャング構成員である可能性を認めた。
「だが、これが重要な点だが、(彼らには)政府の決定に異議を申し立てる機会が全くなかったため、(彼らが本当にギャング構成員かどうかを)確実に知る方法はない」と続けた。
ボースバーグ判事は判決の冒頭、ベネズエラ人国外追放者の扱いをチェコ出身の小説家フランツ・カフカの小説「審判」の主人公になぞらえた。
政府は国外追放者が退去処分に異議を申し立てられるよう「便宜を図らなければならない」とボースバーグ判事は述べ、「具体的にどのような便宜を図らなければならないかは、今後の審理で判断される」と付け加えた。(c)AFP