【6月3日 AFP】中米パナマは2日、米バナナ大手チキータ・ブランドの子会社が、パナマ国内の全従業員を解雇する方針だと発表した。

カリブ海に面し、観光とバナナ生産に大きく依存する同国ボカス・デル・トロ州にあるチキータ工場の労働者らは、年金改革に抗議して4月28日にストライキを開始した。以後約1か月にわたって生産は停止。同州では道路閉鎖や製品不足が生じ、損失は7500万ドル(約110億円)以上に上るとされる。

このストライキを受け、チキータはすでに5月、パナマ国内の従業員約7000人のうち数千人の日雇い労働者を解雇すると発表していた。

ハケリネ・ムニョス労働相によると、チキータ側の代表はさらに今週、残りの従業員全員を解雇する方針を政府に伝えた。

ホセ・ラウル・ムリーノ政権は労組との交渉の末、バナナ農園の労働者の権利回復に向けた法案を起草することで合意したが、その条件として道路封鎖の解除を求めた。

警察は2日、パンアメリカン・ハイウエーの複数の箇所で丸太や岩を使って通行を妨害していたデモの参加者に対し、催涙ガスを発射した。(c)AFP