【6月3日 AFP】フランス・パリで2日、国際環境NGOグリーンピースの活動家らが、市内のろう人形館から盗み出したエマニュエル・マクロン大統領の人形をロシア大使館の前に置いた。ウクライナ侵攻以降も続くロシアとの経済関係に対する抗議行動だとしている。

警察関係者によると、グリーンピースの女性2人と男性1人は、グレバンろう人形館に観光客を装って入館。内部で作業員に変装した上で、4万ユーロ(約650万円)相当のマクロン氏のろう人形を非常口から盗み出した。ろう人形館によると、活動家らからは「無傷で」人形を返却すると約束する電話があった。

ろう人形館の広報担当者はグリーンピースの3人について、1人が警備員に身障者用リフトについて質問し、注意をそらしている間に作業服に着替えるなど、「明らかに入念な下調べをしていた」とAFPに語った。

盗まれた人形は、ロシアからのガスや化学肥料の輸入、原子力分野における経済関係に抗議するためにロシア大使館の前に置かれたが、数分で撤収された。

グリーンピース・フランスのジャンフランソワ・ジュリアール代表は「フランスは二枚舌を使っており、それを体現しているのがマクロンだ。彼はウクライナを支持する一方で、フランス企業がロシアとの取引を続けることを奨励している」と批判した。(c)AFP