トランスジェンダー高校生、米加州の陸上大会に出場
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【5月31日 AFP】米カリフォルニア州で開催されている高校生の陸上競技大会で30日、トランスジェンダーの選手が散発的な抗議の声やドナルド・トランプ米大統領からの激しい批判をはねのけ、複数種目で決勝進出を果たした。
同州フレズノ郡郊外のクロービス開催されているカリフォルニア州高校陸上競技選手権では、AB・ヘルナンデス選手(16)が女子走り幅跳びと走り高跳びの予選をトップで通過し、31日の決勝に進出した。
ヘルナンデス選手の大会参加は激しい論争の的となっており、各方面から怒りの声が高まる中で、カリフォルニア州高校体育連盟(CIF)は今週、競技規則の調整を急いだ。
この日はスタジアム上空に、「女子スポーツに男子は無用!」と書かれたバナーを広げた小型飛行機が旋回。会場の外では、十数人の抗議者が「女子スポーツを守れ」と書かれたTシャツを着たり、看板を掲げたりした。
CIFは27日、トランス選手の参加によって生物学的女性が競技から除外されないようエントリー規則を変更したと発表。その翌日には、特にヘルナンデスが出場資格を持つ競技を対象に新たなルール変更を発表し、トランス選手の後塵(こうじん)を拝して表彰台に上がれなかった選手へのメダル授与を義務づけた。
この土壇場でのルール変更に先立ち、ヘルナンデス選手はトランプ氏からソーシャルメディア上で攻撃されるなど、数日間にわたって議論の的となっていた。
トランプ氏はヘルナンデス選手の名前は挙げなかったものの、同選手の大会出場が認められれば、将来的に連邦政府からのカリフォルニア州へ資金援助を差し止めると警告。「女性として、このトランスジェンダーである人物は実質的に無敵だ。これは公平ではなく、女性や少女への完全なる侮辱だ」「この件に関する大統領令が順守されなければ、多大な連邦資金が永久に差し止められる可能性があると通知しておく。これは完全にばかげた状況だ!!!」とつづった。
トランプ氏の投稿に続き、米司法省は連邦資金を受け取る教育プログラムにおける性差別を禁止する法律「タイトルIX」にカリフォルニア州が違反していないかどうか調査することを発表した。(c)AFP