ボクシングで性別検査導入へ 五輪金ヘリフも対象
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【5月31日 AFP】ボクシングの国際統括団体ワールドボクシング(WB)は30日、主催大会などへの参加を希望する男女選手の資格を判断するため、性別検査を義務化すると発表した。
WBは今回の方針導入ついて、昨年開催されたパリ五輪の女子66キロ級で金メダルに輝いたイマン・ヘリフ(アルジェリア)らの性別騒動を受けてのものと説明した。
6月5日から10日にかけてはオランダでアイントホーフェン・ボックスカップが開催される予定となっており、WBはヘリフが大会に出場するためには性別検査を受ける必要があると、アルジェリアのボクシング連盟に通達したことも明らかにした。
新しい方針の下では、WBが主催または認可する競技への参加を希望する18歳以上の選手全員が、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)遺伝子検査を受けて、出生時の性別および競技資格を確認する必要がある。
PCR検査は特定の遺伝物質を検出するための実験技術で、この場合は生物学的性別の指標となるY染色体の存在を示すSRY遺伝子を明らかにするものとなっている。
各国連盟が検査の責任を負い、WB主催大会にエントリーする際には、PCR検査によって決定された染色体の性別証明書を提出し、選手の性別を確認することが義務づけられる。
ヘリフや同じくパリ五輪の女子57キロ級で金メダルを獲得した林郁婷(台湾)の成功は、米国のドナルド・トランプ大統領や実業家イーロン・マスク氏ら、著名人による激しい性別適格性の議論を引き起こした。
ヘリフと林は、アマチュアボクシングを長年統括してきた国際ボクシング協会(IBA)が主催する2023年世界選手権の性別適性検査で失格とみなされ、大会から除外された。(c)AFP