中国BYDを提訴、建設現場の「奴隷労働」で ブラジル
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【5月30日 AFP】ブラジルの検察当局は、中国の電気自動車(EV)最大手、比亜迪(BYD)とその下請け会社2社について、人身売買および建設現場の労働者に奴隷労働に近い悪質な労働条件を課した疑いで提訴した。AFPが29日に確認した司法文書で明らかになった。
ブラジル北東部バイア州の労働当局は昨年12月、同州カマカリにあるBYD工場の建設現場で、中国人労働者220人が「劣悪な労働条件」で働かされているのを発見した。
労働者らはマットレスもない状態で寝かされ、31人で一つのトイレを使わされていた例もあった。また長時間日に当たって働いたことによる「明らかな皮膚の損傷」が見られた。
労働当局は、労働契約に違法な条項が含まれていた他、パスポートの没収や給与の最大70%の差し押さえが行われていたとして「強制労働」の疑いがあると指摘した。労働者はさらに武装警備員によって監視されていた。
BYDの下請け会社、錦江建設ブラジルは奴隷労働の疑惑を否定している。
バイア州労働当局は「集団的精神的損害賠償」として2億5700万レアル(約65億円)の支払いと、労働者個人への賠償を求めている。(c)AFP