重荷重自動誘導車(AGV)の海外展開加速・中国
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【6月5日 Peopleʼs Daily】物流や製造業など分野で高度化が進む中、港湾や工場などの現場で超大型貨物や加工部材の運搬が可能な「自動誘導車(AGV)」の需要が急増し、この分野に大きなチャンスが訪れている。
近年、中国の重荷重AGV業界は急速な発展を遂げ、多くの企業が強力な技術力と信頼性の高い品質を武器に、中国国内の市場で地位を固めるだけでなく、海外市場への進出を加速している。
重量物輸送用のスマート車両の総合メーカー「天津朗誉机器人(Tianjin Langyu)」(以下「朗誉」と略称)の工場内は、年始早々から活気にあふれ、生産ラインが高速で稼働し、緊迫した空気の中で様々な重荷重AGV製品の製造と試験が行われていた。
同社の任志勇(Ren zhiyong)董事長は「年明けから忙しい。1月だけで海外から1300万元(約2億6351万円)の注文を受けた」と話す。
この業界では、積載荷重2トン以上のAGVを「重荷重AGV」と呼んでいる。超重量、超長尺、超大型の貨物輸送という困難な課題を、重荷重AGVは自動化と効率化で解決し、自動車製造、鉄鋼冶金、港湾物流など多くの産業で採用され、企業の生産性向上と運営コスト削減のツールとして活躍している。
現在、重荷重AGV市場は急速に発展している。例えば屋外用の重荷重AGVという特定分野の市場に焦点を当ててみると、2021年から26年までの国内市場規模の年平均成長率は約25パーセントに達する見込みだ。
広東省(Guangdong)佛山市(Foshan)では「広東嘉騰ロボット自動化(Guangdong Jaten Robot and Automation)」(以下「嘉騰」と略称)は、地元のセラミック産業の材料搬送ニーズから重荷重AGVの広大な市場可能性を見出した。
同社の陳洪波(Chen Hongbo)副総裁は「多くの製造工場を訪問し、搬送作業員の過酷な労働環境を目の当たりにした。AGVは『機械の脚』となり、作業員を過酷で単調で危険な作業環境から解放できる」と強調している。
長さ14.4メートル、幅3.4メートル、高さ1.2メートル、積載能力300トンの「大型車両」は、工場敷地内を走行する際、坂道や段差を自在に登り降りし、その場で回転できるほか、狭い曲がり角でも柔軟に曲がることができる。
「朗誉」が最近発表したこの300トン級屋外重荷重AGVは、工場間や区間を跨ぐスマート無人輸送システムとして開発された。
「朗誉」の技術総責任者・張斌鵬(Zhang Binpeng)氏は「このAGVは、北斗衛星測位システム、慣性ナビゲーション、視覚感知などの技術を融合させ、複雑な道路状況下で歩行者や車両の回避、環境認識、スマートナビゲーションの精度を、室内AGVと比べ、大幅に向上させた」と説明する。
技術イノベーションはロボット業界の永遠のテーマである。「朗誉」は技術開発を続け、AGV製品の積載荷重記録を次々に更新している。
任董事長は「24年に納入した600トン荷重の重荷重AGVは世界記録を塗り替えたが、我々は1000トン荷重の製品も現在開発中だ」と紹介した。
また「嘉騰」の陳副総裁は「我々はイノベーション能力の強化と製品の技術開発を非常に重視しており、毎年売上高の10~15パーセントを研究開発に投資している」と強調する。
近年「嘉騰」は600件を超える特許を取得し、20トン積載駆動ユニットの開発に成功し、駆動ユニットのコア部分の多くを輸入に頼ってきたこれまでの状況を解決した。
海外市場では、中国製の重荷重AGVが、その高いコストパフォーマンスとカスタマイズサービスで顧客の信頼を獲得している。
「朗誉」海外販売センターの単晨溪(Shan Chenxi)総経理は記者に対し「昨年アイルランドの建設会社が、2台の連動が可能で3メートルまで同期昇降できる重荷重AGVを求めてきたが、多くのAGV企業がこの条件に頭を悩ませていた。その後、代理店を通じてわが社にも引き合いが入り、直ちに設計図を提出したところ、顧客がこの図面に満足し、購入の承認が得られた。そして、アイルランドで製品が使われ始めると、顧客はこの製品の性能を高く評価し、それが今年の大量発注につながった」と語った。
単氏は「現在、当社の製品は12の国と地域に輸出され、海外向け受注額は総売上額の約20パーセントを占めている」と話す。同社は現在、海外市場展開を加速し、3年から5年以内にこの割合を50パーセントに引き上げる計画だという。
一方、「嘉騰」の方は現在、世界500強企業70社と提携し、海外工場も設立している。
陳副総裁は「重荷重AGV市場は世界的にまだブルーオーシャン段階にあるが、中国製の重荷重AGVは海外企業と比べ、応用面でより多くの試行錯誤を重ね、豊富な応用シーンとサービス事例を蓄積しており、様々に異なる市場のニーズに迅速に対応ができる」と考えている。
陳氏は「これが国際競争における中国の重荷重AGVの大きな優位性であり、今後の重荷重AGV製品の国際的な標準化に向けての確固たる基盤を築いたものと言える」と強調している。(c)PeopleʼsDaily/AFPBBNews