【5月29日 AFP】ケニア出身の作家グギ・ワ・ジオンゴ氏が28日、死去した。87歳。娘がフェイスブックで公表した。

娘のワンジク・ワ・グギ氏は、「28日の朝、私たちの父グギ・ワ・ジオンゴが亡くなった」とし、「父は充実した人生を送り、立派に闘った」とつづっている。

グギ氏は英語での執筆をやめ、出身の民族語キクユ語でのみ創作するようになり、ポストコロニアル(植民地支配以降)のアフリカのアイデンティティーを象徴する存在となった。

1977年の戯曲「したい時に結婚する(Ngaahika Ndeenda、I Will Marry When I Want)」は、ポストコロニアルのケニア社会への厳しい批判と見なされ、上演後にグギ氏は起訴手続きを経ずに収監された。

戯曲の上演が禁じられたことを受け、1982年に亡命して英国に移り、その後、米国に移住した。

ケニアの野党党首、マーサ・カルア氏は「文学界の巨匠で学者であり、わが国に生まれ、偉大な愛国者でもあったグギ・ワ・ジオンゴ教授の足跡が消えることはない」とX(旧ツイッター)で追悼。

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルのケニア支部は28日、「先生(Mwalimu)、自由のために執筆してくれてありがとう」とXで哀悼の意を表した。(c)AFP