【5月26日 AFP】フランスのドキュメンタリー映画監督マルセル・オフュルス氏が24日、死去した。97歳だった。孫のアンドレアスベンジャミン・セイフェルト氏が26日、AFPに宛てた声明で明らかにした。

オフュルス氏は1927年11月1日、ドイツのフランクフルトで、ドイツ人女優ヒルデ・ウォールと、著名なドイツ系ユダヤ人監督マックス・オフュルスの間にハンス・マルセル・オッペンハイマーとして生まれた。

第2次世界大戦中、父親に連れられて映画監督のビリー・ワイルダーやフリッツ・ラングと共にドイツからフランスへ逃れ、さらにピレネー山脈を越えてフランスを脱出。1941年に米国に到着した。その後はハリウッドで育ち、1946年には米占領軍の一員として日本で勤務した。

1950年にフランスへ帰還。1955年に父親の最後の映画『歴史は女で作られる』で助監督としてキャリアをスタートさせた。1963年にジャンポール・ベルモンドとジャンヌ・モローを主演に迎えた『バナナの皮』で劇映画に挑戦したが失敗。フランスの公共テレビに雇われ、ドキュメンタリーに転向した。

1969年の『哀しみと憐れみ』は、ビシー政権下におけるナチス・ドイツとの協力が、無名の美容師から上流階級の頂点に至るまで、いかに広範囲に及んでいたかをインタビューとニュース映像をつないだ構成で明るみにし、フランスはナチス・ドイツの占領軍に抵抗したという神話を打ち破った。

1989年には、「リヨンの屠殺者」と呼ばれたナチスの元親衛隊員クラウス・バルビーを描いた『ホテル・テルミニュス 戦犯クラウス・バルビーの生涯』で、アカデミー賞の最優秀長編ドキュメンタリー賞を受賞した。(c)AFP