【5月26日 AFP】国営イラン通信(IRNA)によると、フランスのカンヌ国際映画祭でイランの反体制派監督ジャファル・パナヒ氏(64)の作品が最高賞パルムドールを受賞したことを受けたフランス外相の発言が「侮辱的」だとして、イラン当局は25日、フランスの駐イラン大使を召喚した。

パナヒ氏が24日にパルム・ドールを受賞した後、フランスのジャンノエル・バロ大使はX(旧ツイッター)に、彼の勝利は「イラン政権の抑圧に対する抵抗のジェスチャー」だと投稿した。

IRNAは「フランスの外相による侮辱的な発言と根拠のない主張を受けて、テヘランのフランス大使館の臨時代理大使が外務省に召喚された」と報じた。

イラン当局は「カンヌ映画祭を利用して(イラン・)イスラム共和国に対する政治課題を推し進めるフランス政府の悪用」を非難するとしている。

パナヒ氏の受賞作『シンプル・アクシデント』は、刑務所で自分たちを拷問したとする男と対峙(たいじ)する5人のイラン人の物語。脚本はパナヒ氏自身の刑務所での経験を基に書かれた。また同作品には、イランの女性に対する厳格な服装規定に反し、複数の女優がベールを着用せずに出演している。(c)AFP