【5月25日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領は24日、卒業する陸軍士官候補生を前に選挙戦スタイルの演説を行い、過去の米国の指導者や政策を厳しく批判した。また、政治的に中立な軍を、自身の右派イデオロギーに合致するよう再構築する決意を強調した。

ニューヨーク州ウエストポイントの名門陸軍士官学校での演説では、毎年恒例の優秀生への称賛、ジョーク、そして士官候補生のスポーツでの成果をたたえる祝辞が盛り込まれていた。

しかし、2期目の最初の4か月を批判者への攻撃とホワイトハウスでの権力集中に費やしてきたトランプ氏は、すぐにより過激な話題に移った。

その痛烈なレトリックに対して、灰色の制服を着た士官候補生の列からはわずかな拍手しか起きなかった。

トランプ氏は自身の孤立主義政策と旧来の同盟国への不信を正当化し、米国の歴代指導者が少なくとも20年間、「われわれの軍を任務に引きずり込み、時間、金、魂を浪費してきた」と非難。

前任者たちが「ばかげたイデオロギー実験でわれわれの兵士を虐待してきた」と語り、「彼らは軍隊をあらゆる社会プロジェクトや政治的な目的に従事させ、国境を無防備にした」と述べた。

「それはすべて終わった。君たちも知っているだろう」と候補生らに語り掛け、「軍の仕事はいかなる敵をも制圧し、米国へのいかなる脅威をも無力化することだ」と強調した。(c)AFP/Gregory Walton with Sebastian Smith in Washington