ガザ紛争「最も残酷な局面」国連総長 空爆続き支援トラックも略奪
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【5月24日 AFP】国連のアントニオ・グテレス事務総長は23日、パレスチナ自治区ガザ地区の人々は紛争の「最も残酷な局面」を耐えているとの見方を示した。ガザでは、イスラエルによる長期封鎖が部分的に緩和されたが、食料トラック十数台が略奪される事態が起きている。
ガザの民間防衛当局の職員はAFPに対し、23日のイスラエル軍による空爆で少なくとも71人が死亡、数十人が負傷し、がれきの下で多数が行方不明になっているとの報告を受けていると明らかにした。
グテレス事務総長は、「ガザのパレスチナ人は、この残酷な紛争の中で最も残酷とも言える局面を耐え忍んでいる」と述べ、イスラエルに対して、人道支援物資の「搬入を許可し、促進することに応じなければならない」と訴えた。
しかし、最近搬入が許可された400台近いトラックのうち、実際にガザ入りしたのはわずか115台だった点に言及し、「洪水のような支援が必要であるにもかかわらず、これまでに許可された援助は小さじ1杯分ほどでしかない」と指摘。
「その一方で、イスラエル軍の攻撃は激化し、恐るべきレベルの死と破壊をもたらしている」と非難した。
国連の世界食糧計画(WFP)は23日、前夜にWFPが支援しているベーカリーに向かうトラックのうち15台がガザ南部で略奪されたと発表。
「飢餓、絶望、そして、食料援助はこの先来るのかという恐れから、人々は不安を強めている」とし、イスラエル当局に対して、「ガザへの食料援助の量を大幅に増やし、迅速に搬入するよう」求めた。(c)AFP