DeepSeek:驚嘆の連続、さらに大きな嬉しい驚き・中国
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【5月25日 Peopleʼs Daily】巳年(今年)の春節(旧正月、Lunar New Year)前後、中国の人工知能企業「深度求索(DeepSeek)」は、オープンソースモデル「DeepSeek-R1」を世界中に発表し、大きな話題を呼んだ。
その爆発的な人気は驚異的だった。DeepSeek-R1が1月20日に正式リリースされてからわずか1週間で、米中両国のアップルスマホのアプリストアの無料ランキングで首位に躍り出た。その後約140か国のモバイルアプリダウンロードランキングでも首位を独占し、東西の市場で同時に社会現象級のブレイクを果たした。
業界の反響の大きさもまた驚異的だった。オープンAI(OpenAI)のサム・アルトマン(Sam Altman)CEOは「新たな競争相手は刺激的だ」と述べ、米「ニューヨーク・タイムズ(New York Times)」は「これは一つのマイルストーンだ」と大きな評価をした。また米国のエヌビディア(Nvidia)、アマゾン・ドットコム(Amazon.com)、マイクロソフト(Microsoft)の3大テクノロジー企業が同日、DeepSeek-R1の採用を発表した。
業界平均を大幅に下回る研究開発投資、マルチモーダルインタラクション、低消費電力計算、多言語対応などの核心的技術のブレークスルー、モデル推論能力の飛躍的なレベルアップなど、DeepSeekが示した「高コストパフォーマンスのイノベーション」は、世界の人工知能産業の近年の「計算力の積み上げ」や「大規模な投資による革新」に依存する構造を打破した。
英「フィナンシャル・タイムズ」は「DeepSeekは、過去一定期間AI産業が抱えていた『より強力なハードウェアが人工知能発展の鍵だ』という基本的な概念に挑戦している」と率直な感想を載せた。
DeepSeek。この中国テクノロジー企業が生み出した「感嘆符」は、人びとを深く考え込ませることになった。米国の「閉鎖的な保護主義」政策に対抗し、DeepSeekをはじめとする中国テクノロジー企業は技術的ブレークスルーを次々と実現している。米国がチップ禁輸措置で中国のハードウェア取得を邪魔しようとする中、逆にこの巨大な外圧の下で、中国ではより効率的な代替案が生み出されたのだ。
DeepSeekの台頭は、世界とってもさらに多くの嬉しい驚きをもたらしている。そのオープンソースの共有は、AI技術のグローバルな普及を促進している。一部の国や地域では、DeepSeekの方言識別技術により、遠隔地の住民がAI医療を利用できるようになった。またDeepSeekを搭載した端末が農業災害の早期警告にも活用されている。ますます多くのグローバル・サウス諸国がこの先進的で効率的なオープンソースモデルからの恩恵を受けている。
中国駐国連代表の傅聡(Fy Cong)氏は「共同と協力による発展を通じてのみ、世界のデジタル化とスマート化の格差を埋めることができ、特にグローバル・サウス諸国がAI技術の発展過程で平等に恩恵を受けることができる」と指摘した。
さて、視線をDeepSeekが生まれた国・中国に向けてみよう。中国は科学技術と教育を重視する国家戦略、人材強国戦略、イノベーション駆動型発展戦略を積極的に推進し、優秀なハイテク人材を次々に育成している。OpenAIの元ポリシーディレクターのジャック・クラーク(Jack Clark)氏は、DeepSeekについて「計り知れない謎めいた奇才たちを起用している」と述べた。これに対しDeepSeekの創業者・梁文鋒(Liang Wenfeng)は「『奇才』とは、トップ大学の卒業生や博士課程の4~5年次のインターン、そして卒業後数年しか経っていない若者たちだ」と答えた。
計算機科学の分野における最高の栄誉「チューリング賞」の受賞者で中国科学院院士の姚期智(Yao Qizhi)は「中国のAI人材育成において、学部生から博士課程までの水準はすでに世界一流レベルに達している」と指摘する。まさに傅聡氏の言葉通り「中国の研究者の知恵と才能を決して過小評価してはならない」のだ。
世界知的所有権機関(WIPO)が発表した「2024年グローバル・イノベーション・インデックス報告書」によると、中国のイノベーション力は世界ランキングで11位に上昇し、過去10年間でイノベーション力が最も急速に上昇した経済体の一つとなった。
量子計算から核融合制御まで、ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)から宇宙での採掘まで、華為(ファーウェイ)の計算効率向上のための分散オペレーティングシステム「HarmonyOS」から世界初の「超大容量光ディスク記憶装置(ペタバイトクラス)」まで、中国が高水準の科学技術の「自立自強」を目指す道程において、星の光のような輝きを放ち続けると信じることができる。
そしてこの星の光は、世界に新たな希望をもたらすように輝き続けることだろう。(c)PeopleʼsDaily/AFPBBNews