【5月24日 Peopleʼs Daily】今年の春節期間中、中国映画市場は好調な成績を収めた。国家映画局の統計によると、今年の春節興行の総興行収入は95億1000万元(約1870億6170万円)、観客動員数は1億8700万人となり、前年同期比でそれぞれ18.64%と14.68%増加し、春節の興行収入と観客動員数の記録を更新した。

 また、1月1日から2月5日9時までの総興行収入は116億3400万元(約2288億4078万円)、観客動員数は2億4000万人となった。

 今年の春節興行では『哪吒之魔童鬧海(英題:Ne Zha2)』『唐探1900(英題:Detective Chinatown 1900)』『熊出没・重啓未来(英題:Boonie Bears:Future Reborn)』『蛟竜行動(英題:Operation Leviathan)』『封神第二部:戦火西岐(英題:Creation of the Gods II: Demon Force)』『射雕英雄伝:俠之大者(英題:The Legend of the Condor Heroes: The Great Hero)』の6作品が同時公開され、幅広いジャンルの多様なテーマの作品が並び、市場で高い注目を集めた。

「中国映画評論学会」の饒曙光(Rao Shuguang)会長は「高品質な映画の十分な供給は、春節期間の興行収入を保証する重要な前提条件だ。今年の春節期間に公開された6作品は、アクション、アニメ、任侠、コメディ、サスペンス、神話など多様なジャンルをカバーし、春節連休中の映画観賞の需要を満たしており、また中国的な趣と気質を感じさせるものだった」と述べた。

 清華大学の尹鴻(Yin Hong)教授は「春節に、餃子を食べて、爆竹を鳴らして、テレビの春節特別番組を見る以外に、映画の鑑賞も連休の新しい習慣になっている」と指摘する。

 近年、中国映画産業は高速発展を遂げ、映画館の建設が加速し、三線・四線級の都市の映画館網が次第に整備されつつある。現在、中国のスクリーン総数は9万枚を超えている。施設の充実というハード面の向上は、映画興行収入の増加に基本的な保障を与えている。

 高規格映画の上映と制作の面から見ると、近年IMAX、中国巨幕(CGS)、CINITY、ドルビーシネマなど特殊効果対応のスクリーンが整備され、観賞体験が向上している。多くの映画館が設備をアップグレードし、サービス内容を拡充し、観客にテクノロジーと映画の融合を体験させている。 

 2月6日現在、映画『哪吒之魔童鬧海』の累計興行収入は57億7600万元(約1136億1392万円)を突破し、中国映画興行収入ランキング・トップに輝いた。

 それ以前は、2019年の夏期興行シーズンの『哪吒之魔童降世(英題:Ne Zha)』が50億元(約983億5000万円)を超える総興行収入を記録し、国産アニメーションの最高記録を樹立していた。

『哪吒之魔童降世』は66回の脚本修正を経て、1400を超える特殊効果シーンを完成させた。そして今回の『哪吒之魔童鬧海』のキャラクター数は前作の3倍で、特殊効果シーンは2000に迫っている。

 ナタシリーズの監督・餃子(Jokelate)氏は「我々のアニメーション制作は『品質重視、量より質』がモットーだ。適当に完成させた作品を公開することは、我々が追求する品質レベルに合わない。観客は真摯な作品を、必ず受け入れてくれると信じている」と話す。

 愛国心、伝統文化、IP映画、映画の工業化は、今年の春節シーズンのキーワードである。『封神三部曲(英題:Creation of the Gods I)』の監督烏爾善(Wu Ershan)氏は、作品に多くの無形文化遺産の要素を取り入れ、多くの建築様式は「穿斗式建築」(直接屋根を支える多くの柱を林立させた構造)から着想を得た。この無形文化遺産は千百年受け継がれてきた建築文化であり、これを理解し創作に活かす価値がある。中国人のクリエイターとして非常に幸運なことだ」と述べている。

『唐探1900』の陳思誠(Chen Sicheng)監督は「今年の春節映画祭で公開された6作品全てにIPコンテンツが存在する。シリーズ物の映画を成功させる鍵は、クリエイターが常に革新を続けられるかどうかだ。クリエイターは絶えず学び、成長し、進化し続けることでのみ、観客と共に成長することができる」と話す。今年で『唐探』シリーズは今年で公開10周年を迎え、4本の映画と2本のドラマが制作されている。

 映画の工業化という点では、高度なジャンル化、制作プロセスの標準化、映画におけるハイテク技術の活用が3つの不可欠な要素である。今年の春節映画は、この3つの特性を十分に発揮した。

 春節映画は撮影地、ロケ地、そして物語の舞台となった場所を盛り上げ、それぞれの場所はこの機会を活かして観光商品を増やし、多くの分野にまたがる消費シーンが、観客を映画と共に旅行や美食体験に誘い、文化観光消費市場に活力を注入している。

 例えば、『唐探1900』の撮影地である山東省(Shandong)徳州市(Dezhou)の「楽陵映画城」は、7か月かけて約20万平方メートルの撮影セットを建て上げた。ここでは映画の公開に合わせ、元日から1月7日まで撮影セットをテーマパークとして一般開放し、開園初日には数万人の観光客が訪れた。

 ある観光客は「まるで自分が映画の中の人物になったような感覚で、非常に没入感があった」と感想を述べている。

 尹鴻教授は「映画の価値は元々単なる興行収入だけではなく、高い影響力を持つ波及的価値を持っている。近年、社会の各界は映画との協業を通じてその波及的価値の影響力を増大させ、映画に関連した新たな消費形態や消費シーンを豊かで活発なものにしようという意欲が高まっている」と話す。(c)PeopleʼsDaily/AFPBBNews