中国の対アフリカ投資、年平均30億ドル超
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【5月23日 東方新報】国務院新聞弁公室は21日、「第4回中国-アフリカ経済貿易博覧会」および中アフリカ経済貿易協力に関する記者会見を開催した。会見では記者から「近年、中国とアフリカの投資協力が深化しているが、中国のアフリカ投資の全体像と今後の拡大方針について教えてほしい」との質問があった。
これに対し、中国商務部西アジア・アフリカ局の沈翔(Shen Xiang)局長は次のように述べた。近年、アフリカ諸国の経済は安定的に発展しており、全体的なビジネス環境も着実に改善されている。その結果、中国企業のアフリカへの投資意欲も著しく高まっている。統計によれば、過去5年間、中国企業によるアフリカ向け直接投資は年間平均30億米ドル(約4309億8000万円)以上を維持しており、投資分野はインフラ、農業、加工製造業、金融、デジタル経済、商業・サービス業など広範にわたっている。
沈局長はさらに、中国からアフリカへの投資主体が多様化しており、民間企業が主力となっていることも強調。民間企業は、中国全体のアフリカ投資企業数の70%以上を占めているという。現在、商務部は34のアフリカ諸国と投資保護協定を締結しており、14の国とは投資・経済協力の作業部会を設置して制度的な後押しも行っている。今後は「10大パートナーシップ行動計画」の実行を軸に、アフリカ側と緊密に連携し、中アフリカ間の産業・サプライチェーンの深い融合を目指すとしている。
具体的には以下の3つの重点方針が示された。
■ アフリカ5地域で「中ア産業協力成長圏」を構築
中国企業がアフリカ各国の資源や産業発展計画に基づき、産業園区、物流インフラ、電力・エネルギー分野などの建設を統合的に進め、産業集積の相乗効果を高めることを目指す。
■投資と貿易の一体的発展を推進
中国企業とアフリカのパートナーは、中国の市場ニーズとアフリカの産業優位性を活かし、農産物の契約栽培や深加工といった形で協力を進めている。これにより、アフリカの一次産品の付加価値や競争力が向上している。商務部は引き続き、中国のさらなる開放のチャンスを活かし、企業間の投資協力を支援していく。
■中小企業間の協力を支援
中小企業は「小規模・迅速・柔軟」という特性を持ち、雇用創出にも大きく貢献している。商務部は、中国とアフリカの中小企業交流・マッチング活動を推進し、若手起業家や女性起業家のイノベーション・起業協力を支援。さらに、人材育成や交流イベント、経済・貿易ミッションの相互訪問、博覧会を通じて、中小企業間の投資協力の拡大を図るとしている。(c)東方新報/AFPBB News