米俳優ケヴィン・スペイシーさん「復帰うれしい」 カンヌでイベント出席
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【5月21日 AFP】ハリウッド俳優のケヴィン・スペイシーさん(65)は20日、フランスで開催中のカンヌ国際映画祭にあわせて現地で開かれた慈善イベントで、生涯功労賞を受賞し、「また仕事ができるのは本当にうれしい」と語った。
慈善団体「ベター・ワールド・ファンド」が主催したガラ・ディナーへの出席は、性的暴行疑惑に長く揺れてきたスペイシーさんにとって、公の場への復帰に向けた新たな一歩とみられている。
スペイシーさんは会場での記者会見で、「この賞が発表されてからの1週間で、たくさんの友人や仕事仲間、共演者たちから連絡をもらった」「戻ってこられて本当にうれしい」と語った。
「これは復帰の第一歩か」と問われると、「また仕事ができるのは本当にうれしい。それは間違いない」と答えた。
カンヌ映画祭側は近年、議会や「#MeToo(私も)」運動の活動家からの強い要請を受け、性暴力を容認しない姿勢を強化している。
スペイシーさんが今回カンヌを訪れていることについて、AFPは映画祭の広報担当者にコメントを求めたが、回答は得られなかった。
スペイシーさんは2023年、英国で性的暴行などの罪で訴追されていた9件全ての罪状について無罪と判断された。さらに2022年には、米ニューヨークの裁判所が、性的暴行をめぐりスペイシーさんに対し約4000万ドル(現在の為替レートで約58億円)の損害賠償を求めた民事訴訟を却下している。
ただし昨年5月には、英テレビのドキュメンタリー番組「Spacey Unmasked(スペイシーの素顔)」で、新たに10人の男性がスペイシーさんからの性的暴行を告発した。スペイシーさんは、これらの容疑についてもすべて否定している。
さらに今年2月には、元俳優がスペイシーさんと、彼が2003年から2015年まで芸術監督を務めていたロンドンの「オールド・ヴィック劇場」を相手取り、英国高等法院に提訴していたことが明らかになった。(c)AFP