海南省、省内最大の電源が再生可能エネルギーに
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【5月20日 東方新報】中国・南方電網(China Southern Power Grid)傘下の海南電網公司(以下「海南電網」)によると、2025年5月14日時点で海南省(Hainan)における再生可能エネルギーの設備容量が1000万キロワットを突破し、全体の装備容量の45.6%を占めて、省内最大の電源となった。
熱帯島嶼である海南省は、クリーンエネルギーの発展に自然条件で優れている。海南電網の統計では、現在の再生可能エネルギー設備容量は1053万キロワットに達しており、内訳は風力発電が209万キロワット、太陽光発電が798万キロワット、バイオマス発電が46万キロワットとなっている。
再エネプロジェクトが「可能な限り接続可能」「すべて送電網に接続できる」ように、海南電網は、計画立案から建設、接続試運転までの各段階で、送電網接続の移行計画や緊急対応策を整備し、「全工程・ワンストップ・付き添い型」サービスを提供。送電網への接続にかかる時間を約30%短縮し、より専門的で効率的、利便性の高いサービスを実現している。
海南の風力発電設備容量は、2025年に入って急速に拡大。海南電網は、華能臨高CZ1洋上風力発電所、華能隆華洋上風力発電場の第1風車群など、3か所の洋上風力発電所を全容量で送電網に接続。集中型再エネ電源の新規接続容量は累計で211万キロワットに達し、さらに全国初の「構網型新型蓄電デモンストレーション電源」の送電網接続も完了。省内の再エネ電力の消費を最大限確保している。
海南電網の電力調整・制御センターの責任者は、「再エネ設備容量の比率が継続的に上昇する中で、風力・太陽光といった資源は間欠的かつ変動的であり、大規模な送電網接続は電力網の安定運用に大きなプレッシャーとなる」と述べた。そのうえで、電力系統の再エネ受入能力を十分に評価し、電力網の安全で安定した運用を確保するとしている。
海南電網は今後、構網型蓄電設備、建設中のガス火力発電所、揚水発電などの調整電源の整備を積極的に進めるとともに、石炭火力の柔軟性改造、原子力発電の調整力向上など、従来型エネルギーの調整能力の整備にも取り組む。また、海南電網の電磁過渡現象シミュレーション試験プラットフォームの構築を加速し、シミュレーション解析能力の強化を図る方針だ。(c)東方新報/AFPBB News