【5月20日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領は19日、ジョー・バイデン前大統領の前立腺がんの診断が隠蔽(いんぺい)されていたのではないかとの臆測に絡み、病状がもっと早く公表されなかったことに「驚いた」と述べた。

バイデン氏の事務所は18日、前立腺がんと診断されたとを発表。声明によると、バイデン氏のがんは深刻度の高い「グリーソンスコア9(グレードグループ5)」と診断された。

大統領執務室で記者団からバイデン氏のがんについて尋ねられたトランプ氏は「なぜもっと前に公表されなかったのか驚いている」「その状況に至るまでには長い時間がかかる。スコア9に達するまでには」と述べた。

AFPが取材した複数の腫瘍専門医は、検診の限界によりバイデン氏の病状がこれまで検出されなかった可能性は十分にあり、最高水準の医療を受けている元大統領であっても、進行がんの発見が遅れることは珍しいことではないと指摘した。

これに対し、「ジョーは認知的に問題ないと言っていたのは同じ医者だ」とトランプ氏は述べ、バイデン氏が大統領在任中に認知機能低下の兆候を隠蔽していたのではないか、との疑念をめぐる政治的論争と再び結びつけようとした。

2024年大統領選でバイデン氏の認知能力を激しく攻撃したトランプ氏は18日、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に、今回の診断を「悲しんでいる」と投稿。しかし24時間後には、長男のドナルド・トランプ・ジュニア氏ら周囲の人物が主張するバイデン氏の隠蔽疑惑に同調した形だ。(c)AFP/Danny KEMP