線路にペットが立ち入ったら? 捜索に最大20分の猶予 仏国鉄
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【5月17日 AFP】フランス・パリの駅で乗客のかばんから線路に逃げ出した飼い猫が列車にひき殺され、国内で論争となった問題を受け、2年間の検討を経て、フランス国鉄(SNCF)がこのたび、明確な規則を定めた。
2023年の事例では、「ネコ」と名付けられたこの猫が逃げ出した際、飼い主が列車の出発を遅らせて救出するよう求めたにもかかわらず、800人の乗客を乗せたボルドー行きの高速鉄道TGVの列車は発車し、猫をひき殺した。
AFPが確認した新規則のコピーによると、ペットが逃げ出して線路に侵入した場合、列車の遅延は最大20分まで認められる。
SNCFの鉄道インフラ施設の保有・管理を担う「SNCFレゾー」の広報担当者は16日、新規則について、「これまでに実施されてきた手順を正式にまとめたもので、職員は常識と人道的な配慮をもって適用している」とAFPに説明した。
新規則の詳細は15日、SNCF職員宛てに通達された。
新規則では、乗客からペットが行方不明になったとの報告があった場合、SNCF職員は10分以内にプラットホームから動物を見つけ出し、「あらゆる疑念を払拭(ふっしょく)する」よう努めなければならない。
ペットを発見した場合、職員は10分以内にペットを移動させなければならないが、「危険区域」や線路への立ち入りは禁止される。
それでもペットが見つからない場合、列車は超低速で走行し、ペットが逃げられる最後のチャンスを与えなければならないとしている。
2023年の事故をめぐり、飼い主はSNCFを提訴したが、控訴審で敗訴した。
この事故を受け、当時のクレマン・ボーヌ運輸相はSNCFの最高経営責任者(CEO)に対し、「社内手続きの変更に関するあらゆる可能性」を検討するよう要請していた。(c)AFP