【5月15日 AFP】ブラジルでは2024年、すべての生物群系(バイオーム)で森林破壊が6年ぶりに鈍化したとする報告書が、15日に発表された。

熱帯雨林アマゾンの破壊を追跡する共同プラットフォーム「マップバイオマス」の報告によると、森林破壊の総面積は前年比32.4%減の約124万ヘクタールとなり、2023年の11%減に続き、2年連続の減少となった。

左派のルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ大統領は、2030年までに違法な森林破壊を根絶すると公約しており、地球温暖化対策の面で世界を主導する意欲を示している。

それでも2024年には、原生植生が1日あたり平均で約3403ヘクタール失われている。

ブラジルには、独自の気候、植生、動物相を有する6つの生物群系──アマゾン、大西洋岸森林、セラード、カーチンガ、パンタナール、パンパ──が存在する。

地球最大の熱帯雨林であるアマゾンでは、伐採によって1日平均1035ヘクタール、すなわち「1秒間に約7本の木」が失われていると報告書は指摘。その多くは農地開拓が原因だという。

また、生物多様性に富む熱帯サバンナのセラードでは、2年連続で最も大きな打撃を受け、65万2197ヘクタールが失われた。

森林破壊は、人為的な植生の除去を意味し、気候変動による高温や干ばつが引き金となった山火事による損失は含まれない。

なおブラジルでは、2023年の山火事による焼損面積が前年比79%増の約30万8000平方キロに達し、イタリア全土の面積を上回ったとの調査結果も公表されている。(c)AFP