【5月19日 Peopleʼs Daily】最近は枕を選ぶ時でも、品揃えがあまりにも豊富で目移りしてしまう。機能性枕のカテゴリーだけでも、伝統的なそば殻枕やケツメイシ(エビスグサの種)、竹炭枕のほか、近年人気上昇中の形状記憶枕、ラテックス枕、無圧枕、羽毛枕など、実に様々な種類がある。さらに漢方・養生のカテゴリーを含めると、本草(薬草)枕だけでも十数種類におよぶ。

 形状は人体工学の原理を応用し、機能は個別化のニーズに合わせ、詰め物には健康維持に効果的な材料を選ぶ。小さな枕の中に、科学技術イノベーションと産業革新の大きな成果が詰まっている。

 ところで、選択肢が多すぎて迷うのは、枕に限らず、日用品の細分化された分野のほとんどで共通している。日常生活に不可欠な日用品は、中国経済の改善・上昇の傾向と高品質な発展の動向を観察するための重要な「窓」とも言えるものである。

 消費を増大させるには、どうすればよいのだろうか?

 それはまず、消費を促す新たなニーズを正確に捉えることから始まると言える。トイレットペーパーがトイレを詰まらせる問題への対応から、水溶性トイレットペーパーが誕生した。環境にも優しく衛生的だ。

 プラグの抜き忘れの安全リスクには、タイマー付きコンセントが便利で安心だ。安全だけでなく省エネ効果もある。

 伸縮式収納ボックスで整理整頓、防水医療用包帯固定テープ、宅配便開封用ナイフなど、様々な便利グッズが消費のアップグレードのニーズを満たし、生活を便利にしている。

 中国経済が内面から湧き出る奥深い成長力を有する根本的な理由は、14億人を超える消費者が形成する巨大な市場が、常に変化し続ける需要を生み出し、生産者側と供給者側が互いに促進し合う構造を持っているからだ。

 需要は総量の概念だが、個別の需要の差異も含んだ概念でもある。スマートトイレカバーからつまずき防止ベストまで、高齢者層は日用品を選ぶ際に、スマート介護や医療健康機能に重点を置く。ソーシャルネットで「チェックイン」や「おすすめ投稿」をし、個性化カスタマイズにこだわる若い消費者はブランド価値やショッピング体験を重視している。

 万能コンセントや多機能収納ボックスなど、デスクワークを便利にする小物は、ストレス解消や不安の緩和に役立つのか、サラリーマンは仕事シーンに合った製品を好む傾向にある。

 超大規模市場は、需要の総量が超大規模だというだけでなく、個別の需要も多種多様だという特徴もある。商品の差別化から需要のブルーオーシャンを開拓し、個性化から需要のトレンドを洞察する。多くの企業は、未発見だったりいまだ充足されていない消費ニーズを正確に捉え、科学技術イノベーションと産業革新の融合を促進し、規模拡大と強化を実現している。

 日用品の消費は、一方で民生に直結し、もう一方で日用品雑貨を供給する中小ミクロ企業の繁栄と社会雇用の促進、労働者の収入向上に結びつくものであり、「消費が経済発展の基礎的役割だ」ということを具現化する重要な分野だ。

 教育訓練の現場からフィットネス・エンターテインメントまで、医療・健康から家事サービスまで、様々な小さな日用品が多元的で多様なサービス需要を満たしている。

 中国で拡大し続ける日用品消費は、消費者側と生産者側の両面で極めて広範な恩恵をもたらしている。

 より高い次元で言えば、都市部と農村部の住民の消費需要の拡大と消費構造のアップグレードという大きなトレンドを捉え、住民側から新たな需要を発掘し、企業側から新たな供給を拡大し、需給間の高水準な動態的均衡を形成することは、短期的な利益だけでなく長期的な利益にもつながることである。

 中国は、内需拡大戦略と供給側の構造改革の深化を有機的に結合させるよう尽力しているが、その積極的な意義は、もちろん言うまでもないことだ。(c)PeopleʼsDaily/AFPBBNews