【5月15日 AFP】フランスのエマニュエル・マクロン大統領がイスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区の封鎖を批判したのを受け、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は14日、マクロン氏が「残虐なイスラムテロ組織に味方」していると非難した。

ネタニヤフ氏は首相府を通じて出した声明で、「マクロン氏はまたしても残虐なイスラムテロ組織に味方し、その卑劣なプロパガンダに同調することを選択し、イスラエルを血の誹謗(ひぼう)中傷で非難している」と主張。

「マクロン氏はイスラムテロ組織と戦い、人質の解放を求める西側民主主義陣営を支持するどころか、またしてもイスラエルの降伏とテロへの報奨を要求している」「イスラエルは止まらない。降伏もしない」と付け加えた。

マクロン氏は13日の民放テレビTF1のインタビューで、3月2日から実施されているガザ封鎖について、「ベンヤミン・ネタニヤフ政権の行為は容認できない。(ガザには)水も薬もなく、負傷者は避難できず、医師が入ることもできない。彼の行為は恥ずべきものだ」と述べた。

国連や援助団体は、飢饉(ききん)が再び迫る中、紛争で荒廃したガザで人道的大惨事が起こると繰り返し警告している。

イスラエルのイスラエル・カッツ国防相も14日、マクロン氏の発言を非難。

「フランスでユダヤ人が自衛できなかった時に何が起きたのか、われわれはよく覚えている。マクロン大統領はわれわれに道徳を説くべきではない」「(イスラエル軍は)困難かつ複雑な状況下において、最高の道徳基準に基づいて行動している。フランスが過去の戦争で示してきたよりも確かに高い基準だ」と付け加えた。(c)AFP