【5月14日 CNS】中国の2025年第1四半期経済報告が4月16日に発表された。GDPは前年同期比5.4%の成長を記録し、市場予想を上回る結果となった。

 今年の経済運営の中核とされる「消費喚起」は順調な滑り出しを見せている。

 国家統計局のデータによると、第1四半期の社会消費財小売総額は12兆4671億元(約255兆9732億円)で、前年同期比4.6%増となり、昨年通年よりも1.1ポイント加速した。特に3月は5.9%と、成長率が反発している。

 消費財の「旧品から新品への買い替え」支援策が強化され、消費意欲のさらなる点火につながっている。

 多くの商品分野では2桁台の成長が見られた。具体的には、第1四半期における一定規模以上の小売業者による販売で、通信機器が26.9%、文房具・オフィス用品が21.7%、家電・映像音響製品が19.3%、家具が18.1%の伸びを示した。

 中でも、スマートフォンの買い替え補助が目を引く。国家発展改革委員会によると、1〜2月において6000元(約12万3191円)以下のスマホの販売台数は4422万台、販売額は1126億元(約2兆3119億円)に達し、1日あたりの販売台数は約75万台、販売額は約19億元(約390億円)となった。前年比では販売台数が8.8%、販売額が19.3%増加している。

 こうした活況の背景には、政策による実質的な資金支援がある。

 今年は超長期特別国債を通じて、消費財の買い替え支援のための予算が3000億元(約61兆5957億円)に拡大され、1月6日には第1弾として810億元(約1兆6630億円)が迅速に支給されており、スマートフォン、タブレット、スマートウォッチ、リストバンドなどのデジタル製品の新規購入も対象に含まれている。

 同時に、所得の伸びも消費の下支えとなっている。

 第1四半期における全国の住民1人当たり可処分所得は1万2179元(約25万円)で、名目で5.5%、実質で5.6%の増加となり、GDP成長率を上回る結果となった。

 地方政府も多様な取り組みを展開し、消費刺激策を相次いで打ち出している。

 こうした一連の政策パッケージは、既存の市場需要を掘り起こし、消費者の信頼感を押し上げた。2月の消費者信頼指数は前月比0.9ポイント上昇し、3か月連続で回復傾向を見せている。

 春節(旧正月、Lunar New Year)や清明節の連休期間における人出の多さからも、消費の活力が放たれていることが実感できる。

 今の中国の消費は、個性化・多様化・高品質志向という新たな物語を描き始めている。

 よりグリーンに——。省エネ・環境配慮型消費が新たなトレンドとなっている。1~2月のデータでは、家電販売のうち「1級省エネ」製品が80%を占めるなど、環境配慮型製品を選ぶ消費者が増えている。

 よりスマートに——。AIやスマートデバイスを活用した新たな消費形態が勢いを増している。自動運転、スマートウェアラブル、ロボットなどの先端技術の開発と普及が加速し、それらが人びとの生活スタイルに変化をもたらしている。

 よりトレンド感のある体験へ——。消費シーンも進化を遂げている。非物質文化遺産の市(マーケット)、没入型の観光、トレンド玩具の体験店、創意あるカフェなど、新たな消費空間が生まれ、消費意欲を刺激している。

 今や人びとは「必要だから」ではなく、「楽しいから」「好きだから」お金を使うようになってきた。新しいタイプの消費にも積極的に支出する傾向がある。最近では、ECプラットフォームのライブ配信でロボットメーカー「宇樹科技(Unitree Robotics)」が製品を紹介し、わずか1分で100万元(約2056万1500円)以上を売り上げたという。

 中国には14億人以上の人口と、1人当たりGDPが1.3万ドル(約192万3090円)を超える巨大な内需市場がある。こうした消費力を引き出すことは、中国経済の質の高い成長にとって非常に重要だ。

 今後は、財政支援によって既存市場を活性化し、技術革新によって新たな消費形態を創出し、そして「新技術+新インフラ(=両新)」政策を活用して需給構造を再構築していくことで、経済の再活性化を目指す。世界が景気回復の鍵を探る中で、中国はその実践によって一つの答えを示している。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News