【5月13日 AFP】ドナルド・トランプ米政権が「難民」として受け入れを表明していた南アフリカの白人について、第1陣の約50人が12日、再定住のため米バージニア州のダレス国際空港に到着した。トランプ氏は、南アのアフリカーナー(オランダ系を中心とする南ア生まれの白人)は「ジェノサイド(集団殺害)」の被害者との考えを示している。

第1陣の到着直前、トランプ氏はホワイトハウスで、アフリカーナーは祖国の「悲惨な状況」から逃れてきていると主張。

南ア生まれの実業家、イーロン・マスク氏の盟友でもあるトランプ氏は、同国で白人の農業従事者者が殺害され、「ジェノサイド」が行われているとの説を改めて唱え、「悲惨な状況が起きている」「だからこそわれわれは、彼らが暴力から逃れられるよう市民権を拡大した」と主張。

再定住者は「たまたま白人だが、白人だろうが黒人だろうが、私にはどうでもいい」と続けた。

トランプ氏とマスク氏は、南ア政府が今年施行した土地収用法がアフリカーナーを標的にしていると非難している。

トランプ氏はこの日、「状況への対処が行われない限り」南アで行われる次回の20か国・地域(G20)首脳会議(サミット)には出席しないと圧力をかけた。

一方、南アのシリル・ラマポーザ大統領は、アフリカーナーが迫害されているとの説を否定。

アフリカーナーの状況について最近トランプ氏が耳にしていることは「事実ではない」と本人に伝えたとし、「難民とは、政治的・宗教的・経済的迫害を恐れて祖国を離れざるを得ない人のことを言う」が「彼らはその条件に当てはまらない」と述べた。

ロナルド・ラモラ外相も、アフリカーナーが迫害、または殺害の標的にされているという主張を一蹴した。

公式統計によると、同国の殺人事件の被害者の大半は都市部の若い黒人男性となっている。(c)AFP