【5月13日 AFP】イスラム組織ハマスの軍事部門イザディン・アルカッサム(カッサム旅団)は12日、ドナルド・トランプ米大統領の中東歴訪に先立ち、2023年10月からパレスチナ自治区ガザ地区で拘束してきた米国系イスラエル兵1人を解放した。

ハマス側は声明で、「イザディン・アルカッサムは、停戦に向けた仲介者による取り組みの一環として米政権と接触し、シオニストの兵士で米国市民のエダン・アレクサンダーを解放した」と表明した。

イスラエル軍も、米国との二重国籍を持つアレクサンダーさんが解放され、現在テルアビブの病院に向かっていると発表。

「IDF(イスラエル国防軍)の兵士エダン・アレクサンダーは、家族に伴われ、現在イスラエル空軍のヘリコプターで病院に向かっている。そこで他の家族メンバーと再会し、治療を受ける」としている。

アレクサンダーさんは、ハマスに584日間拘束されていた。

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、ドナルド・トランプ米大統領からの「政治的圧力」と「われわれの軍事的圧力」によって解放がもたらされたと評価した。

ハマスは前日、ガザでの停戦に向けて米政府と直接交渉していることを明らかにしていた。

ハマスは声明で、「真剣で責任を伴う交渉を行えば、人質解放という成果がもたらされるが、侵略を継続すれば彼らの苦しみは長引き、死亡する可能性もある」と明言し、「トランプ政権に対して、この残忍な戦争を終わらせる取り組みを継続するよう強く求める」と訴えた。(c)AFP