動画:インドネシアの「シルバーマン」 貧困が生んだ「仕事」
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【5月17日 AFP】ある雨の日、インドネシアの首都ジャカルタの交差点で、全身銀色の「シルバーマン」として知られる男性3人が、ドライバーたちに次々と声をかけていく。
裸足で、半ズボンだけを身に着けてパフォーマンスしているのは、25歳のアリ・ムナンダルさんと、兄弟のケリスさん、そして友人の3人だ。
車が一時停止すると、3人はロボットのようなポーズをとり、運転手に「こんにちは、良いドライブを」と声をかける。その真意は「お金を下さい」だ。
健康上のリスクを伴う上、交差点での危ない行為であるにも関わらず、コロナ禍で仕事を失った若者たちの間では、こうした行動が生活費を稼ぐために必要だと考える者もいる。
「シルバーマン」のムナンダルさんも「こんな形でお金を稼ぐのは恥ずかしい。もっと尊厳のある本当の仕事を見つけたい」と語る。だが「家にいる娘と妻のことを思うと、恥ずかしい気持ちもなくなる」と付け加えた。
稼ぎが良い日には20万ルピア(約1800円)を手にすることもあるが、たいていは約12万ルピア(約1000円)程度だ。ジャカルタの最低月給は500万ルピア(約4万4000円)と言われているが、その額にすら届かず、日々暮らしていくお金を手にするのがやっとだという。
「昼ごはんは食べない。飲み物を飲むだけ」とムナンダルさんは話した。映像は4月に撮影。(c)AFP