【5月12日 東方新報】「高品質な茶葉と花や果実などの素材を組み合わせて自然な風味を加えれば、若者にとって非常に魅力的な飲み物になるでしょう。緑茶の爽やかさと土地ならではの果物や花の香りが融合した風味は、きっと人気を集めると思います」――オーストラリア茶業協会のシャリン・ジョンストン(Sharyn Johnston)会長は、5月8日に貴州省(Guizhou)江口県(Jiangkou)で記者の取材に応じ、そう語った。彼女は、ブレンドティーが世界的に注目されており、今後の茶業の重要な方向性になると見ている。

 2025年第6回茶業大会が同日、江口県で開幕し、イタリア、デンマーク、オーストラリアなどから集まった茶の専門家や業界団体の代表たちが、新たな情勢下における中国茶産業のイノベーションの道筋について深く意見を交わし、中国茶のグローバル展開に向けた提言を行った。

 ヨーロッパ特種茶協会の副会長であり、デンマーク茶業協会の創設会長でもあるアレクシス・ケイ(Alexis Kaae)氏は、近年貴州省が開発している抹茶を使った多分野製品に大きな可能性を感じているという。特に今回の展示で紹介された抹茶のお菓子や抹茶フェイスマスクなどの製品を高く評価した。

「ヨーロッパ市場では抹茶への需要が伸び続けています。特に35歳以下の若者層がSNSを通じて抹茶ラテなどの新しい飲み物に触れており、見た目の美しさやシェアしたくなる『映え』要素を持つ商品を好んでいます」とケイ氏は語り、中国の茶企業と協力して抹茶製品の普及を図りたいと意欲を示した。

 また、会議に参加した専門家らは、中国茶の輸出拡大には、文化的価値の付加や品質認証の強化が鍵になるとの認識を共有した。国際スローティー連盟の執行会長であり、イタリア茶業・ハーブティー協会のマルコ・ベルトナ(Marco Bertona)会長は強く同意し、イタリアワイン産業の成功例を引き合いに出した。「30年前、イタリアの赤ワインも『品質はあるが認証がない』という壁に直面していましたが、地理的表示保護制度を確立したことで、高級市場への道が開けたのです」

 ベルトナ氏は、中国茶の「海外進出」に向けて「二重の戦略」が必要だと提言する。一つは、欧州連合(EU)に認められた第三者による認証制度を導入し、生産地の環境や加工工程、労働者の権利までを含む全過程の透明性を確保すること。もう一つは、中国茶文化の国際的な情報発信を強化することであり、「ヨーロッパの消費者にとって、『茶馬古道』のような物語を理解することが、中国茶を『プレミアム商品』として受け入れる前提になる」と語った。(c)東方新報/AFPBB News