【5月10日 AFP】ローマ・カトリック教会の新教皇レオ14世は9日、バチカンのシスティーナ礼拝堂で就任後初のミサを行い、多数の人々の信仰を回復する緊急の必要性をカトリック教会に強調した。

レオ14世は、ミサに出席した枢機卿に対し、「福音を説き、その真理を証言するのが容易ではない」場所や状況があるとし、「そうした場所で信者は嘲笑され、異議を唱えられ、軽蔑され、哀れまれる」「まさしく、こうした理由のために、私たちの宣教活動は切実に必要とされる」と訴えた。

「キリスト教の信仰はばかげたもので、弱者や知性のない人々のためのものと見なされる状況」を嘆き、前任のフランシスコ教皇の指摘を繰り返し、人々は「テクノロジーやお金、成功、権力、快楽」に目を向けていると述べた。

さらに、「信仰の欠如は多くの場合、悲劇的に、人生の意味の喪失や慈悲の欠如、人としての尊厳の甚だしい侵害、家族の危機、そして私たちの社会を苦しめるさまざまな傷をもたらす」とイタリア語で指摘。

また、福音派のキリスト教徒への明らかなメッセージとして、イエス・キリストを「カリスマ的な指導者やスーパーマンのようなものに矮小(わいしょう)化」することはできないとし、こうした考えのカトリック教徒は「事実上、無神論の状態に陥っている」と警告した。

ミサの導入部では、枢機卿に英語で即興で話し、教会内の分断を克服する必要性を訴え、「あなた方一人ひとりが私と共に歩んでくれると確信している」と呼び掛けた。(c)AFP