新教皇名「レオ14世」、社会的献身の姿勢の表れ
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【5月9日 AFP】ローマ・カトリック教会の新しい教皇になった米国人のロバート・フランシス・プレボスト枢機卿が、教皇名としてレオ14世を選んだのは、教皇職に「社会的」な性格を与えようとする姿勢の表れだと専門家らは指摘している。
新教皇は、教皇選挙(コンクラーベ)で選出された直後にサン・ピエトロ大聖堂のバルコニーに姿を現し、世界に紹介されるまでのわずかな間に教皇名を決める。
教皇名の選択は、前任者との継続性を示すこともあれば、過去との決別を意味することもある。カトリック教会の新たな指導者が進歩的なのか、保守的なのかを示唆する場合もある。
ローマ教皇庁(バチカン)専門家のジョン・アレン氏は、コンクラーベに関する著書で「教皇名の選択は、新しい教皇が自身の教皇職をどのようなものにしようとしているかを示す最初のメッセージになり得る」と述べている。
バチカンのマッテオ・ブルーニ広報局長は8日、記者団に対し、プレボスト枢機卿の教皇名は「カトリック教会の社会教説への明確な言及だ」と語った。
レオを名乗った前の教皇、1879~1903年に在位したレオ13世は、労働者の権利の擁護者だった。
レオ13世は回勅(教皇文書)の中で、「産業と商業がごく一部の富裕層や金権家の手に集中し、その結果、無数のプロレタリアにほとんど奴隷的ともいえる軛(くびき)を課している」と非難したことで知られている。
レオ14世の名前の選択について、バチカン専門家で作家のフランソワ・マビーユ氏は、「過剰なグローバリゼーションや、人工知能(AI)のような広範な社会問題とも結びつけながら、そのテーマが再び取り上げられることになるだろう」と述べた。(c)AFP