【5月9日 AFP】米連邦準備制度理事会(FRB)が再び利下げを見送り、失業率とインフレ率の上昇リスクが高まっていると警告したことを受け、ドナルド・トランプ米大統領は8日、FRBのジェローム・パウエル議長を「ばか」と批判した。

トランプ氏は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で「『遅過ぎる』ジェローム・パウエルはばかだ。何も分かっていない」とパウエル氏を改めて批判した。

トランプ氏は、中国への高関税を含む、断続的に実施している関税計画を実行する中で、経済成長を刺激するために今すぐ利下げが必要だと繰り返し主張してきた。

FRBは7日、政策金利を4.25~4.50%に据え置くことを全会一致で決定したと発表した。

発表後、パウエル氏は記者団に対し、トランプ政権の関税政策が最終的にどうなるかについて「非常に不確実性が高い」と警戒感を示した。

多くのアナリストは、トランプ政権の行動はインフレ率と失業率を押し上げ、少なくとも短期的には経済成長を鈍化させる可能性が高いと警告している。

だが、トランプ氏はトゥルース・ソーシャルへの投稿で、「インフレ率は事実上ゼロ」であり、「ほぼすべてのコスト」が下がっていると主張した。

数時間後、大統領執務室で行った記者会見でもパウエル氏への攻撃を強めた。

「壁に向かって話しているようなものだ」「彼はいつも遅過ぎる」と不満をあらわにする一方で、「しかし、今回はそれほど問題にはならないだろう。なぜなら、わが国は非常に強いからだ」と述べた。(c)AFP