【5月7日 AFP】スーダンの事実上の首都ポートスーダンにある同国最大の海軍基地が7日、無人機攻撃を受けた。国軍関係者がAFPに明らかにした。ポートスーダンへの攻撃は、これで4日連続となる。

匿名を条件に語った軍関係者によると、「無人機は対空ミサイルで撃墜された」という。

AFP特派員の報告によると、7日未明に一連の爆発があり、フラミンゴ海軍基地の方角で煙が立ち上った。

スーダンでは2023年4月から、政府軍と、アラブ首長国連邦(UAE)が支援しているとされる準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」との間で戦闘が続いている。

紅海沿岸のポートスーダンには国連の事務所が置かれ、大勢の避難民が身を寄せている。最近まで内戦の被害を免れていたが、4日にRSFによるものとされる無人機攻撃が始まった。

RSFはこの一連の攻撃について公式なコメントを出していない。なお、ポートスーダンは、同組織の拠点が確認されているハルツーム近郊から約650キロ離れている。

スーダンではすでに一部地域で飢饉(ききん)が宣言され、推定2500万人が深刻な食料不安に直面している。今回の攻撃により、全土での人道支援活動に深刻な支障が出る可能性も指摘されている。

国連のトム・フレッチャー事務次長(人道問題担当)は、「国連の人道活動の拠点であり、支援物資の主要な搬入口でもあるポートスーダンへの無人機攻撃が続いていることを非常に懸念している」と述べた。

スーダンに搬入される支援物資のほぼすべてがポートスーダンを経由しており、国連は同都市を「人道支援活動の生命線」と位置づけている。

国連はまた「世界最悪級の人道危機にあるスーダンで、さらなる人的被害が生じる恐れがある」と警告した。

7日の攻撃に先立ち、スーダン政府はRSFによるポートスーダン攻撃に使用された武器を供給しているのはUAEだと非難。同国を「侵略国」と断じ、外交関係の断絶を発表した。

UAEは、国連専門家や米政治家、国際組織などが支援の実態を指摘しているにもかかわらず、RSFへの関与を一貫して否定している。

この内戦により、スーダンは事実上東西に分断されている。政府軍は中部、北部、東部を掌握している一方、RSFは西部ダルフール地方のほぼ全域と南部の一部を支配。首都ハルツーム首都圏についても、長らくRSFが実効支配していたが、今年3月に国軍がほぼ全域を奪還した。(c)AFP