【三里河中国経済観察】政策と市場が共鳴、「メーデー」消費が経済の強さ示す
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【5月7日 CNS】「労働節(メーデー)」連休の消費が大きく盛り上がった。
中国文化・観光部データセンターの推計によれば、5日間の連休期間中、中国国内の旅行者数は延べ3億1400万人に達し、前年同期比6.4%増となった。国内旅行者の総消費額は1802.69億元(約3兆5700億円)で、前年比8%増だった。
また、中国商務部のビッグデータモニタリングによると、全国の主要小売・飲食業の売上高は前年比6.3%増加した。
このような消費市場の好調な動きは、単なる統計数値にとどまらず、政策的な支援と市場の力が共鳴し合う中で、中国の消費市場に強い活力が生まれていることを如実に示している。
この現象の背景にはどのような重要なトレンドがあり、どのようなメッセージが込められているのだろうか。
■観光・文化消費が新たな形に進化
5日間で1802.69億元という消費額は、中国の消費市場の底堅さを再び示すものとなった。
連休中、各地では新たな消費シーンが創出され、多様な供給によって消費意欲と市場の活気が刺激され、観光客に深い体験が提供された。
「特種兵式(限られた時間と費用で詰め込んだスケジュールで観光地を巡る「ハードスケジュール旅行」)」のナイトツアーやミュージアムナイトなど、深掘り型・個性重視型のニーズが拡大し、観光・文化消費に新しい変化とトレンドが見られた。
例えば、ライブフェスやコンサートが人気の「新定番」となり、北京市昌平区では「音楽+観光文化」の没入型体験イベントを実施し、総合収入は6593.05万元(約13億569万円)に達した。
北京市内ではユニークな公園めぐりも人気を集め、市内の公園では延べ931.83万人を受け入れ、前年比4.37%の増加となった。
■「China Travel」+「China Shopping」の新しい潮流
ビザなし渡航の恩恵を受け、「メーデー」連休には多くの外国人観光客が中国を訪れた。
初日、天津国際クルーズ母港では「夢想号(ドリーム号)」「レガッタ号」「クァンタム・オブ・ザ・シーズ」の3隻が同時に入港し、2000人以上の外国人観光客が中国に上陸した。中にはスーツケース片手に「爆買い」に来た外国人も多く、支付宝(アリペイ、Alipay)のデータによると、連休初日から3日間の外国人による消費額は前年同期比180%増加した。
■地方観光や夜間経済が注目集める
大都市の華やかな商業施設や観光名所に加え、旅行先として「地方の小さな町」を選ぶ人が増えており、「逆方向の旅行」が新たなトレンドとなっている。
福建省(Fujian)晋江市(Jinjiang)や重慶市(Chongqing)の栄昌区、福建省平潭県(Pingtan)など、伝統文化や未開発の自然景観、庶民的な食文化を持つ町が都市生活者の「喧騒からの逃避先」として人気を集めている。
この「地方旅行」ブームの背景には、観光客が単に有名な観光スポットを訪れることを目的とせず、旅先での心の安らぎや豊かな体験を求めているという価値観の変化がある。
また、「メーデー」期間中には多くの地域で「夜間経済応援イベント」が実施され、クーポン配布やデジタル案内などを通じて、飲食・宿泊などの二次消費が促進された。
たとえば、陝西省(Shaanxi)では11の国家級夜間観光文化消費集積地に延べ481.7万人が訪れ、前年比11.39%の増加を記録した。
■消費刺激政策が市場を動かす
消費者の行動を観察することで、ある時期の消費市場の動向を把握することができる。
「メーデー」連休中、「旧製品を新製品に買い替える」政策が予想を超える効果を発揮した。
連休初めの4日間で、自動車の買い替え補助申請は6万件を超え、新車販売額は88億元(約1743億円)に達した。家電12品目の販売は356万台で、119億元(約2356億円)の売上を牽引。スマホなどのデジタル製品は242万点が売れ、64億元(約1268億円)を売り上げた。
期間を広げて見れば、この政策の精度と需要喚起効果はより明確になる。
2025年初頭から5月5日午前0時まで、自動車買い替え補助の申請数は300万件を突破。家電12品目の買い替え購入は5516万台、デジタル製品は4167万件に達した。
これらのデータは、耐久消費財市場の更新ニーズが非常に大きいことを示し、消費の高度化という深層的な流れを浮き彫りにしている。家庭の耐久消費財は今、更新の集中期に入りつつあり、政策による支援が現実の消費力に変わりつつある。
■新たな国内需要の風景が広がる
「メーデー」連休を通じて、中国の消費市場にはより強靭で多層的な内需の新しい風景が現れ始めている。
政策と市場活力の二輪駆動により、中国は外的な環境変化に十分対応できる回復力を備え、構造転換と高度化の中で新たな成長力を蓄積している。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News