【5月3日 AFP】タイ保健省は2日、国内で炭疽(たんそ)による死亡例が30年以上ぶりに確認されたことを受け、国民に冷静な対応を呼び掛けた。既に2人目の感染者も確認されている。

炭疽は、土壌中の細菌を介して広がり、通常は、放牧されている家畜や野生動物に感染する。人間が感染した場合、皮膚病変や水疱、リンパ節の腫れなどの症状を示し、死に至る場合もある。

保健省は、国内北東部、ラオスとの国境付近のムクダハン県で、牛の死骸を扱ったとされる53歳の男性の死亡を受け、生肉の食用を避けるよう国民に警告した。

保健省疾病管理部門の報道官はバンコクでの会見で、4月30日に死亡した男性には基礎疾患があり、「適切な感染予防措置を取らずに問題の牛に触れ」「2日後に感染症状を示して医療機関を受診していた」と明らかにした。

ムクダハン県では、この牛に接触した別の53歳の男性も陽性と判明し、入院している。

食肉処理業者や生の牛肉を食べた人々を含む「リスクグループ」638人については、経過観察が行われ、抗生物質が投与されている。(c)AFP