【5月7日 Peopleʼs Daily】近年、中国の気象当局は気象の早期予報の実践に積極的に取り組み、徐々に「政府主導、早期予報第一、部門間連携、社会参加」の早期予報・中国モデルを形成しつつある。

 現在、中国の早期予報プログラムは世界規模で利用され始め、ビジネスプラットフォームの構築、技術サポートの提供、人材育成などを通じて、世界各国と協力し、気候変動の課題に共同で対応している。

 進歩的な気象予報と早期警報サービスは、中国の気象当局が実践を通じて得た経験である。ますます短縮され効率化される予報時間、より正確に捉えられる対象空間、一層ターゲットを絞った予報コンテンツで、途切れの無い精密な早期予報を通じて、気象リスクの対象領域の把握は常に狭められ、早期予報の的中率は大幅に改善されている。

 そして、影響の大きい気象現象が発生する前に、各地の各クラスの緊急対応責任者に、電話やメッセージアプリ「微信(ウィーチャット、WeChat)」などの手段で直接連絡を行い、その頻度と効率は常に改善され、科学的な対策と秩序あるスケジューリングをサポートしている。現在、中国の全ての省で早期予報サービスが開始されている。

 気象の早期予報の継続的な成果は、気象に関わる科学技術のイノベーションの不断の向上と切り離して考えることはできない。

 現在、9機の「風雲」気象衛星が軌道上にあり、546基の気象レーダー、7万か所を超える地上気象観測所が稼働しており、地上、空中、宇宙の3次元総合気象観測システムとしては世界最大規模となっている。

 三つの気象予測AI大規模モデル「風清」、「風雷」、「風順」のいくつかのパフォーマンス指標は、国際先進レベルに達している。インテリジェントグリッド気象予報システムは、全国で5キロメートル平方まで絞った空間解像度を持ち、大雨警報の精度は93パーセント、激しい積乱雲など激しい気流対流の警報は43分先行できている。

 台風の24時間進路予測の平均誤差は62キロで安定しており、世界トップレベルを維持している。

 16の業界と82種類の早期警報情報を集約した「国家突発事件警報情報配信システム」によって、早期気象警報が政府、各部門、業界の情報管理責任者に1分以内に届くようになっている。

 世界気象機関(WMO)のコ・バレット(Ko Barrett)副事務総長は、中国の早期予報システムの構築と能力向上における実践的な経験は、世界にとって模範となるものだと、高く評価している。

 現在、中国の早期気象予報システムとそのスタンダードは、多くの国々に広まっている。中国気象局の支援によるラオスの早期予報情報公開システムは完成し、東南アジア諸国連合(ASEAN)向けの早期予報サービスプラットフォームは運用を開始した。また、パキスタン気象局と共同開発したAIなど先進技術を用いてカスタマイズされた「クラウドベースの早期予報システム」は、すでに気象予報業務を行っている。

 また中国の気象当局は、エチオピア気象局およびソロモン諸島と共同でクラウドベースの早期予報システムを開発し、発展途上国や地域向けの早期予報業務プラットフォームを立ち上げ、世界気象機関の「アジア地域向け多種災害早期警報システムプロジェクト」を主導している。

 中国の気象当局は、全世界向けのモニタリングサービスを絶えずレベルアップしている。

 気象衛星「風雲」は、100種類以上のデータ製品とサービスを世界の132の国と地域に提供している。また 国際災害軽減憲章メカニズムの当番衛星として、320を超えるリモートセンシングモニタリングサービスレポートを発行し、世界的な災害防止と軽減、気候変動の早期警報に強力な支援を提供している。

 中国の気象当局は昨年、気象分野における人工知能、早期予報、衛星リモートセンシングアプリケーションなど25回の研修コースを開催し、60か国から599人の研修生が、中国国内またはオンラインで研修に参加した。

 中国は「人類運命共同体」の理念を堅持し、「早期予報・中国プラン」を世界に広め、世界の国々と手を取り合って地球の気候変動に対応し、責任ある大国としての役割を果たしている。

 昨年9月の「中国・アフリカ協力フォーラム北京サミット」では、気象早期警戒プラットフォームの構築が、「中国とアフリカが協力して現代化を推進するための10大パートナーシップ行動」に盛り込まれた。

 昨年11月の「国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)・第29回締約国会議」では、中国は「早期予報警告により気候変動への対応を促進するための中国の行動計画(2025-2027)」を発表し、途上国への早期気象警報の提供と気候変動適応能力の向上への支援を明確に表明した。

 また、中国は気候変動に対応するための「グローバルサウス諸国協力による早期警戒のフラッグシップ・プロジェクト」を推進し、それを必要とする発展途上国と共同でカスタマイズしたクラウドベースの早期警戒システムを開発し、早期警戒、リスク評価、気候変動などの分野での短期トレーニング、専門分野の奨学金、長期客員研究員への資金援助を提供し、気候変動への対応能力と災害リスクに対する防御措置のレベルアップを図っている。

 国連「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」のジム・スキー(Jim Skea)議長は、中国は国際舞台において重要な勢力で、世界規模の気候ガバナンスに不可欠な存在であると述べている。(c)PeopleʼsDaily/AFPBBNews