草の根の民衆の声は全国人民代表大会の立法にまで届くか・中国
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【5月6日 Peopleʼs Daily】先般「両会(全国人民代表大会と中国人民政治協商会議全国委員会会議)」の開催にあたっては、世界の注目が中国に集まった。両会で議論される多くの議題の中で、「立法」は広く注目を集める議題である。
全国人民代表大会とその常務委員会は中国の立法機関で、法律の制定がその重要な責務だ。草の根レベルの意見や民意は果たして「人民大会堂」まで届くのだろうか?
このことは、国家の性質、立法の目的、そして人民民主主義のプロセス全体の理念の実践と密接に結びついていることだ。そしてその答えは「イエス(届く)」だ。
一連の科学的な制度設計により、全国人民代表大会の立法プロセスは、科学的で、民主的で、法的手順に基づいた立法を十分に体現し、草の根レベルの声を幅広く聞き、それらを十分に反映するものになっている。
■まず、最初のステップである「法案の提出」から見てみよう
2024年の「第14期全国人民代表大会第2回会議」では、人民代表から298件の法案が提出された。そのうち292件は「法律議案」、すなわち法律の制定、改正、廃止、解釈に関係する議案だった。
全人代常務委員会が立法案を策定する際には、人民代表が提出した法案や建議を整理・検討し、シンポジウムや論証会議を開催し、人民代表の重要な役割が十分に発揮されるものになっている。全人代の代表は人民の中から選出されており、草の根レベルの声がしっかりとくみ取られた上で、立法のプロセスが開始されることになる。
続いて、第2段階である「法律草案の策定」について見てみよう。
「高校生の意見が法律に盛り込まれる」とは、多くの人にとって、思いもよらないことかもしれない。ところが、新たに改正された「未成年保護法」の中には、華東政法大学附属高校の学生が提案した改正条項が盛り込まれているのだ。これは全国に設置された草の根レベルの「立法連絡拠点」から上程され、全人代常務委員会の「法制工作委員会」が採択したものなのだ。
■それでは「立法連絡拠点」はどれほど重要なものなのか?
15年7月に法制工作委員会が「立法連絡拠点」を設置して以来、全人代とその常務委員会が制定または改正した法律の90パーセント以上は、「立法連絡拠点」の意見聴取のプロセスを経ている。
この草の根レベルの立法連絡窓口は、中国の民主的立法の「直通列車」となり、民意をくみ取り、民衆の知恵を集める重要なメカニズムとなり、人民民主主義の発展を全過程で支える重要な「実践的担い手」となっている。
もう一つの事例を見てみよう。
「社会生活百科全集」とも呼ばれる「民法典」は、我々一人一人の生活の全てに密接に関係している。この編纂作業において、立法当局は、全国人民代表大会のウェブサイトを通じて前後10回にわたる公開意見聴取を行い、42万5000人から累計102万件の意見や提案を受け取った。
最初の民法典の草案には「人格権」の章が存在していなかったが、多くの専門家、学者、一般市民から、「オンライン時代においては、個人情報、プライバシー、名誉などの人格権の保護を強化すべき」との意見が寄せられ、民法典の最終版では「人格権法」が51条の独立した条文として設けられ、人格権の保護が大幅に強化されることになった。
■第3段階は、法律の公布だ
通常、法律の草案は全人代常務委員会で何度も審議が繰り返される。時には全人代の場に提出されて審査される場合もある。
15年の「両会」では、税法に「税率」という言葉が削除された後に再度復活したという事例あった。「第12期全人代第3回会議」において人民代表たちが「立法法」の改正草案の審議を行った際、草案の「第3稿」では「税率」という単語が削除されていることが判明した。
「削除が妥当かどうか、どうしたら的確な表現になるか」についてさらなる討議が行われた。
その過程で、一部の代表から「『税率』は徴税の重要な要素であり、『税率』という表現が法律に明記されていなければ、『法律による課税』という原則が大きく損なわれる」という意見が出された。
全人代の専門委員会は統一審議の場で、人民代表が提出した条項案を一つ一つ慎重に検討し、最終的に「税率は法律で規定する」と追記する修正案を採択した。
■「立法法」は、専ら「法律を管理する」特別な法律であり、法治の力で人民民主主義を保障している
この法律では「立法は、人民民主主義を全ての過程で堅持し、発展させ、人権を尊重し、保障し、社会の公平と正義を保障し促進させなければならない」と規定されている。
立法の提案から、法律草案の作成、審議、批准に至るまで、草の根レベルの声が聞き入れられ、尊重され、くみ取られる。このことは、全てのプロセスを通じて人民民主主義が活き活きと体現されていることを示している。
立法権は重要な国家権力である。中国は科学的で有効な制度上の取り決めを通して、人民が人民代表大会を通じて国家権力を効果的に行使し、国家と民族の将来の命運が人民の手にしっかりと握られていることを保証している。(c)PeopleʼsDaily/AFPBBNews