インド、次期国勢調査でカースト調査実施へ 1931年以来
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【5月1日 AFP】インド政府は4月30日、1947年の独立以来初となる公式のカースト調査を実施すると発表した。この動きは、インド政治と物議を醸す積極的格差是正政策に広範な影響を及ぼす可能性がある。
インドではカーストが依然として人生の地位を決定づける重要な要素であり、上位カーストの人々は根深い文化的特権の恩恵を受け、下位カーストの人々は根強い差別に苦しんでいる。そして、両者の間には厳しい隔たりが存在する。
インドの人口約14億人のうち、3分の2以上が下層に属していると推定されている。
ナレンドラ・モディ首相が主導する政府会議は、次回の国勢調査でカースト別の詳細な人口調査を含めることを承認した。
次回の国勢調査の日程はまだ発表されていない。
アミト・シャー内相は、この動きを「歴史的」と呼んだ。
カーストのデータは英植民地時代の1931年に公式の国勢調査の一環として収集されたのが最後である。
独立以来、歴代の政府は行政の複雑さや社会不安への懸念を理由に、このデリケートな人口データの更新を避けてきた。
モディ首相が率い、ヒンドゥー至上主義を掲げるインド人民党はこれまで、カーストによって人々を分類するという考えに反対し、それが社会の分断を深めると主張してきた。
一方、カースト調査を支持する人々は、大学の定員や政府職員のほぼ半分を社会的に不利なコミュニティーに割り当てるといった社会正義プログラムを的を絞って実施するには、詳細な人口統計が不可欠だとしている。(c)AFP