【5月2日 Peopleʼs Daily】ショッピングアプリを開き、「フォアグラ」や「キャビア」と検索してみると、これら伝統的な「西洋食材」の多くが、驚くことに、「山東省(Shandong)臨ク県(Linqu)直送」とか「四川省(Sichuan)雅安市(Ya’an)の優良産地」などと表示される。またソーシャルメディアでも、山東省と安徽省(Anhui)のフォアグラの味を比較したり、四川省、浙江省(Zhejiang)、湖北省(Hubei)のキャビアの味の違いを論じたりするレビューが大人気だ。

 フォアグラやキャビアだけではない。ウイスキー、クランベリー、オリーブなど、元々は国外からの「舶来品」が、中国で静かに根付き、成長を遂げ、中国内外の消費者に向けて、より多様な選択肢を提供している。そしてこのような商品は、ネットユーザーから「中国の新しい特産品」と呼ばれている。

 これら「新しい特産品」の定着と人気は、大きな消費市場の勃興とレベルアップ、そして中国の産業体系の鋭敏さと柔軟性によって支えられている。大規模栽培により、キャビア、フォアグラ、抹茶などの地元産食材は価格面で明らかに優位性が出ている。コストパフォーマンスの高い国内の高級食材が、どんどん「庶民の家庭に飛び込み」つつある。新たな消費の注目点が企業を構造転換とアップグレードに導き、農業と食品産業の高品質化やブランド化の発展を促している。この観点から見て、「中国の新特産品」の成功は、本質的には市場の需要と供給能力の的確なマッチングであり、供給構造の適応性と柔軟性の継続的改善の縮図だとも言えるものだ。

「外国製品」を国内の「新しい特産品」に変えることは、決して「コピー・ペースト」ではなく、「現地に適した作物選択」なのである。

 オリーブは地中海沿岸の原産だが、甘粛省(Gansu)の隴南市(Longnan)で作付けされる前には、専門家が現地の気候や土壌の条件を考察し、何度も調査と実証を行い、最終的にオリーブの生育に適した場所を見つけ出した。その後、現地では農業技術を活用して農産品の品質を継続的に改善した結果、最終的には国際的な評価を得るに至った。

 テクノロジーの活用により、「中国の新しい特産品」は「逆方向の輸出」を実現し、世界中にそのファンを獲得した。貴州省(Guizhou)の銅仁市(Tongren)では、高規格の抹茶原料基地と4つの世界トップクラスの抹茶精製生産ラインが建設された。製品は海外40以上の国と地域に輸出され、年間生産量は1200トンを超えている。

 雲南省(Yunnan)ではマカダミアナッツ産業が発展した。現地の品種改良によって、当初わずか5本の苗木からスタートし世界最大の生産地へと成長している。研究開発、苗木栽培、作付け、収穫、加工、販売まで一貫した完全な産業チェーンが形成されている。

 ゼロから出発して世界トップレベルの規模にまで成長した背景には、「現代農業の産業体系、生産体系、経営管理体系の積極的な構築」という強力なサポート要因があった。

 常に農業の新しい版図を拡大し、高付加価値の道を開拓することで「新しい特産品」が産地の人びとの懐を潤すことになった。そしてそれは、工業、商業、観光業にも広がっている。

 江西省(Jiangxi)金溪県(Jinxi)の香辛料産業が「香りツアー」と手を組んだ時、また雲南省孟連タイ族ラフ族ワ族自治県(Menglian Dai Lahu Wa Autonomous County)のアボカド産業が、少数民族の伝統文化を再現した「土司(とす)の宴」や「民族音楽祭」と結びついた時、現地の農業は単なる農産物の生産から「農業・文化・観光を融合した総合生態システム」へと進化した。

 これらは、開放的な中国が「外来種」を「国産の優秀品種」へと変貌させ、中国経済が向上し良い方向に向かっているという自信の表れでもある。

 4日ごとに、2トンの雲南産ブルーベリーがアラブ首長国連邦のドバイに空輸され、また、キャビアが税関を通過してからわずか3日で海外の食卓に届く。

 強力な物流システムが、中国の農産物の世界の食品貿易の中での新たな位置づけの助けになっている。新エネルギー車、リチウム電池、太陽光発電製品といった対外貿易の「新・御三家」から、オンライン文学、オンラインドラマ、オンラインゲームといった文化輸出の「新御三家」まで、「国内・国際ダブル循環」に依拠してますます豊富になる「中国の新しい特産品」は、ウィンウィンの国際協力を通じて、世界に福をもたらしている。

 フランスのシェフチームが中国企業とフォアグラ加工技術の交流をした時、ロシアの顧客が「四川のキャビアは、子どもの頃ボルガ川のほとりで過ごした日々を思い出させる」と語る時、「中国の新しい特産品」は異文化交流の媒介となっている。

 このように海外からの供給が国内の需要を喚起し、その産物が国産化された後には世界に向けて還元されるという図式は、まさに「和羹(Hegao)の美」(多様な素材が混ざり合った美味なスープのような調和と融合の美)であり、国際的な和合と共生の時代にふさわしい新たな物語と言えるのではないだろうか。

 開放的な姿勢でグローバルな資源を取り入れ、革新的な精神で地元産業を強化するという「中国の味」と「世界の食卓」とが深く結びついた時、農業大国としての中国の変革とレベルアップだけでなく、古くからの文明を維持してきた国としてグローバル化の時代における自信と包容力を世界に示すことができるだろう。(c)PeopleʼsDaily/AFPBBNews