両会の代表・委員の提案は採用されるか
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【4月29日 Peopleʼs Daily】第14期全国人民代表大会(全人代)第3回会議と中国人民政治協商会議(政協会議)第14期全国委員会第3回会議が、それぞれ3月5日と3月4日に北京で開幕した。(代表大会と政協会議を合わせ「両会」と略称される)
中国の政治の「風向計」、経済の「晴雨計」とも呼ばれる「両会」は、中国の政治発展を観察する窓である。
全国人民代表大会の代表約3000名と中国人民政治協商会議の委員2000名余りが北京に集まり、国政について共に討論する。これは人民民主主義の実践の生きた姿だ。
それでは、会議に参加した代表や委員の提案は、本当に採用されるのだろうか? また、その提案はどれほどの影響力を持つのか?
これらの疑問に答えるには、まず2つの最新データを見る必要がある。
中国国務院の各部門は2024年、全国人民代表大会の代表からの提案8783件、政治協商会議の委員からの提案4813件を受け取り、それぞれの提案総数の95.1パーセント、96.1パーセントを全て期限内に処理を終えた。
そして、代表と委員から寄せられた意見・提案のうち、5000件以上が実際に採用され、2000件以上が関連する政策や措置として実施された。これにより、経済の質の高い発展、科学教育による国家振興、農村の全面振興、民生の保障と改善などの分野で新たな成果が得られた。
全ての議案、建議、提案は、汗と知恵と努力の結晶だと言える。代表と委員は職務を遂行するルートと手段を持っているが、重要なのは効果を上げることだ。
例えば、新エネルギー車は徐々に若者たちの間で人気が高まりつつあるが、販売後のサービスの問題も懸念されている。全国人民代表大会の代表・曹景芳(Cao Jingfang)氏は「新エネルギー車の販売後の保障の改善に関する建議」を提出した。曹氏はこの建議を提出するに当たり、半年以上をかけて多くの自動車修理ステーションを訪問し、業界の専門家と協議したという。
この提案に対して先日交通運輸部から返答があった。新エネ車のメンテナンスのスタンダード体系を策定し、専門従事者、サービス品質、メンテナンスの検査測定など32の基準を網羅し、さらに「新エネ車メンテナンス整備士」という職業を「国職業分類大典(国家認定の職業種別)」に追加し、新エネ車の職業技能人材の育成を養成するという内容であった。
代表および委員の職務遂行は保障され、支援されている。民政部を例にとると、24年には主に高齢者介護、社会扶助、社会事務などに関し、全人大の代表からの313件の建議と政治協商会議の委員からの174件の提案を受け入れた。
建議や提案に対して、国はどのように対応するのか。それは「対処前の積極的なコミュニケーション」「対処中のタイムリーな進捗状況報告」「対処後の具体的なフィードバック」の3段階で行われる。
代表や委員の一部は、業務会議、専門テーマ調査検討会、座談会やインタビューへの参加に招かれ、彼らの卓越した見解は政策イニシアティブへと転換される。
民政部は昨年1年間、代表や委員から寄せられた220件以上の意見や提案を正式採用し、24件の関連政策措置を公布した。
代表や委員の職務の遂行は、名誉でもあるが、むしろ大きな責任を伴うものだ。一定の義務や評価も課されており、非常に厳しいものである。多くの地域では「人民代表が会議にきちんと出席しているか」「有権者と面会して意見を聞いているか」「政策提案などを提出しているか」という点を評価する仕組みが設けられている。
今年の全人代では、「中華人民共和国全国人民代表大会および地方人民代表大会の代表法(改訂草案)」が審議されます。この草案では、全国人民代表大会の各レベルの代表の責任が明確に定義されており、代表は職務の遂行状況について定期的に報告することが義務付けられています。
全人大では代表たちが「政府活動報告」「全人代常務委員会活動報告」「最高裁判所および最高人民検察院報告」、さらに「国家財政収支の予算報告」を審議する。これらは、国家の立法、行政、司法の各分野の執行状況、国家の資金の使われ方・投入分野を網羅している。
これらの報告は審議の最終段階で修正される可能性もある。国家機関は、報告を通した審議によって、はじめてその職務を円滑に遂行することができる。
代表や委員は、視察や専門テーマ調査検討会に参加し、法の執行状況の検査に参加し、議案、建議、提案を提出し、審議の場で発言し、質問を行い、選挙や票決に参加し、隔週の協商座談会に出席する。彼らは、法に従って人民のために職務を遂行している。
全国両会の場では、代表や委員たちが国民の民心と民意を携え、社会の各方面の人びとの知恵と力を携え、国の発展計画や民生の課題について議論を交わす。
そこでは、億万人の人びとの考えや願いと、国家全体を見据えるトップレベルの構想とが互いに響き合い、交わり合い、共に輝きを放っている。(c)PeopleʼsDaily/AFPBBNews