【4月29日 CGTN Japanese】中国で多くの省(直轄市・自治区)が2025年第1四半期(1~3月)の域内総生産(GDP)を発表する中、東部にある浙江省は全国(5.4%)を上回る経済成長を記録しました。浙江省のGDPは前年同期比6%増で、年初に掲げた年間成長目標の5.5%前後を上回りました。

 浙江省は21日に今年第1四半期のGDPが2兆2300億元(約43兆6000億円)に達したと発表しました。同省では、人工知能(AI)モデルを開発するディープシーク(DeepSeek)やロボットメーカーの宇樹科技(ユニツリー・ロボティクス)など、いわゆる「杭州六小龍」と呼ばれるAIやロボットなどの有力ベンチャー企業群が注目を集め、国内外からの注目が高まっています。同省のハイテク製造業、設備製造業、戦略的新興産業は、いずれも前年同期比で2桁の成長を記録しました。

 一方、中国第一の経済大省である広東省の成長率は4.1%にとどまり、全国の5.4%を下回りました。広東省のGDPは3兆3525億元(約65兆5000億円)で、年初に設定した5.5%前後の成長目標に届いていません。貿易大省の広東省は中米間の関税問題などの影響を受けやすく、今後の経済成長の不確実性が増しているとみられています。

 また、広東省に次ぐ経済規模を持つ江蘇省は、第1四半期に5.9%の成長を達成し、GDPは3兆3088億元(約64兆6000億円)となりました。広東省との差はさらに縮小しています。

 そのほか、湖北省が6.3%、安徽省が6.2%、山東省が6%、河南省が5.9%、北京市と四川省が共に5.5%、上海市が5.1%の成長となりました。

 中国の地域経済には依然としてばらつきがあるものの、ハイテク産業を中心とした新たな成長エンジンが力強く稼働し始めていることがうかがえます。(c)CGTN Japanese/AFPBB News