【4月28日 AFP】エストニア・タリンで開催されたU-23フェンシング欧州選手権で、スイスの選手が表彰式でイスラエル国旗に背を向けたことが物議を醸し、外交問題にまで発展している。これについてスイスフェンシング協会は27日、選手たちの行動を謝罪した。

問題が起きたのは26日に行われた男子エペ団体決勝で、イスラエルに敗れたスイスの4選手は優勝チームの国歌が演奏時にイスラエルと3位のイタリア選手たちとは異なり、国旗の方を向かなかった。

この行動はパレスチナ問題に対する政治的メッセージとされており、特にイスラエル側は激しく反発。ギデオン・サール外相は、X(旧ツイッター)にスイスの選手が表彰台で他の2チームに背を向けている写真を投稿し、「無礼な行動を取ったスイスチームは恥を知れ。負け方を知らない、自身と代表する国に恥をかかせる振る舞いだ」と怒りを表明した。

スイスフェンシング協会は「表彰式を政治的な表現の場として利用した事実に同情の余地はない」と謝罪。「選手は決勝後に勝者のイスラエルを祝福した」としつつ、表彰式での行動が「イスラエル代表団を傷つけた」ことを「深く遺憾に思う」と強調し、「この大会で三つのメダルを獲得したスイス代表の成功をおとしめた」と嘆いた。

協会は、「原則として、協会は、スポーツの大会が政治的見解を示すのにふさわしい場ではないと考えているが、世界で起こっている出来事について個人として意見を持つのはもちろん構わない」「帰国後に選手と話し合い、今後の対応を決める」としている。(c)AFP