【4月28日 Xinhua News】モンゴル・ウランバートル市在住のエンクトゥヤ(Enktuyaa)さん(57)はこのほど、中国内モンゴル自治区フフホト市にある内モンゴル国際蒙医医院で冠動脈疾患の手術を受け、病状が著しく回復した。「ここの医師は経験豊かで医療機器も先進的。術後はとても調子が良い」と話す。

 長年心臓を患っていたエンクトゥヤさんは、モンゴルでさまざまな治療を試みたが、一向に良くならなかった。そこで友人から中国は医療技術が高く、医師も真面目で責任感があり、費用の減免制度もあると聞き、やって来た。中国で治療を受けるのは初めてという。

 エンクトゥヤさんのようなモンゴル人患者は、同自治区では珍しくない。同病院はここ数年、国際医療サービス部を設置した。モンゴル語と中国語のバイリンガル職員を配置して、モンゴル人患者に受付、問診、検査から入院治療まで全過程の付き添いと通訳サービスを提供。大型設備の検査費用には優待もある。

 同自治区のカザフスタン国境にあるエレンホト市も、国境を超えて治療にやって来るモンゴル人の姿が日常的に見られる。

 エレンホト市蒙医中医医院の鍼灸治療室では、腰椎椎間板ヘルニアと頸椎症に悩むモンゴル人のダワスロン(Dawasurong)さんが治療を受けていた。「エレンホト市に鍼灸治療に来たのは2回目だが、腰痛がずいぶん緩和された。中国医学の鍼灸治療法は非常に効果的でモンゴルでは有名」と語った。

 同医院の張胡吉雅(ジャン・フージーヤー、Zhang Huujiyaa)業務院長は、2024年にはモンゴルの患者延べ3万人近くを受け入れたと紹介した。同医院ではモンゴル人患者が必要とする100元(1元=約20円)以上の検査、化学分析費用は2割引を適用しており、減免額は累計80万2千元に達したという。外国籍患者向けの受付と2カ国語サービスに加え、24時間対応の相談ホットラインも開設している。

 エレンホト市の複数の病院は現在、医療スタッフの相互訪問研修や遠隔診療などを含め、モンゴルの医療機関との恒常的な協力メカニズムを確立している。張業務院長は「私たちは定期的に専門家をモンゴルに派遣して無料診療を行い、モンゴルの医師をエレンホト市に招いて研修も行っている」と述べた。(c)Xinhua News/AFPBB News