KIST(c)KOREA WAVE
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【04月25日 KOREA WAVE】持続可能な環境に優しい航空燃料(SAF)は、カーボンニュートラルの課題に対する航空業界の代替案として注目されている。しかし、これを生産するためには高温・高圧の熱化学的工程が必要であり、工程が複雑であるだけでなく、生産単価も高い。

韓国科学技術研究院(KIST)クリーンエネルギー研究センターのイ・ウンヒ博士の研究チームがこの問題に取り組み、自然から得られたオイル(リグニン=木材の主要成分)をSAFの原料に転換した。鍵となる効率を電気化学方式で従来比6倍以上に高めた。

特に、高温・高圧ではなく常温・常圧の条件で、複雑な構造を持つリグニンオイルを抽出することに成功した。

研究チームは「リグニンオイルの性質を精密に調整する方法で、電気化学反応の効率を従来の6倍以上に向上させた。オイルへの転換率は98%に達する」と説明している。また、SAFの生産過程で電気を使用するため、太陽光や風力といった再生可能エネルギーとの連携も可能だと補足した。

イ・ウンヒ博士は「SAFの生産工程におけるエネルギー消費とコストを削減し、航空業界がSAFの導入をためらう主な原因を解消する技術的代案を提示した」としたうえで「廃棄資源をSAFに転換できる新たな技術的可能性を開いた。電気化学を基盤とするSAF生産の道しるべになるだろう」と強調した。

(c)KOREA WAVE/AFPBB News