【4月22日 Peopleʼs Daily】「物流」は実体経済の「神経」だ。中国の昨年の年間貨物輸送量は約565億トン、1日あたり平均1億5000万トンとなり、前年比約3.5%増加した。輸送・物流が国家経済の安定と向上を強力に支えている。

 ここ数年、中国社会における物流コストの全体的な水準は、低下傾向を維持している。GDPに占める社会物流総コストの割合は、2012年の18%から23年の14.4%に低下した。つまり、GDP100元(約2063円)当たりにかかる物流コストは18元(約371円)から14.4元(約297円)に減少したことになる。

 社会物流総コストはなぜ低下し続けているのか。記者は取材を行った。

 積み荷を満載し寧波市(Ningbo)の舟山港(Chuanshan port)を出発した貨物船「嘉華寧波(Jiahua Ningbo)」号は、わずか26日後の1月24日の早朝、ドイツのウィルヘルムスハーフェン(Wilhelmshaven)港に到着した。

 このスピーディな海上輸送の背景には、「海運と鉄道の一貫輸送」と「中欧快航(舟山-ウィルヘルムスハーフェン港の快速航路)」の2つの強力な輸送手段の連携がある。

 コンテナに積まれた貨物の中には、江西省(Jiangxi)の企業が生産した家具もあった。それは、江西省贛州市(Ganzhou)から寧波舟山港の穿山(Chuanshan)港区まで鉄道で輸送され、その後「中欧快航」でドイツまで一気に運ばれた。

「中欧快航」の開通で、舟山港から出荷される貨物は、海上輸送で直接ヨーロッパまで「点と点」で輸送されるようになった。貨物の総輸送時間は従来の38日から26日に短縮された。鉄道輸送と海運の組み合わせで、貨物は港で荷降ろしされることなくコンテナごと直接船積みされるため、物流コストを効果的に削減することができる。

 舟山港の責任者は「24年には鉄道と舟山港コンテナ海運との組み合わせ輸送量が20フィートコンテナ換算:180万TEUを超え、前年比2桁の成長を達成する見込み」と述べていた。

 輸送と物流コストの削減ならびに品質と効率の向上をサポートする重要なコンテンツとして、近年「輸送の構造」の再編と最適化が徹底的に推進され、大きな成果を上げている。

 中国西部地域の「陸海新回廊」、長江(揚子江、Yangtze River)経済ベルトの物流回廊、中部地域の多様な複合輸送回廊など主要な輸送ルートの相互接続が進み、工場や鉱山、埠頭、産業園区への専用鉄道線の敷設が加速されている。鉄道輸送のボトルネックである出荷場所から積み込み駅までの短距離運送と到着駅から最終輸送場所までの短距離運送のいわゆる「駅前後1キロ問題」も次々と解消されつつある。インフラの物理的な接続(ハード連携)も着実に進展している。

 高速貨物鉄道、ダブルスタックコンテナ列車、多路線連携の高速輸送便など様々な輸送方式が次々と登場している。複数の輸送モードを1つの伝票で管理する『ワン・ドキュメント方式』や1つのコンテナの一貫輸送『ワン・コンテナ方式』も整備が進んでおり、ルールや標準規格といった「ソフト面の接続」も絶えず革新されている。

 データによると、24年の全国の鉄道・水運によるコンテナ輸送量は約1150万TEUとなり、前年比で約15%増加した。

 人工知能や物のインターネット(IoT)などの新世代の情報技術が、現代の物流と深く融合し、オンライン貨物輸送やスマート物流などの新しいモデルが、輸送と物流のコスト削減と効率向上に新たな可能性を生み出している。

 浙江省(Zhejiang)紹興市()の「如潤(Rurun)紡織品」の傅葉飛(Fu Yefei)総経理は、試算をしてみた。自社でドライバーを雇うと毎月約3万元(約61万8900円)のコスト増になるだけでなく、復路の空き輸送が発生し、輸送効率が低下する。そこでインターネット貨物輸送を利用したところ、車両と貨物が迅速かつスマートにマッチングされ、輸送コストが7割近く削減され、輸送効率が5割以上向上した。

「貨拉拉集団(Lalamove)」の張浩(Zhang Hao)主席技術官は「人工知能技術の精密な利用で需給が正確にマッチングでき、荷主とドライバー間の情報格差が効果的に縮小され、社会的物流コストの削減に役立っている。わが社のLalamoveプラットフォームは1日平均186万件のオーダーをマッチングし、貨物需給のマッチング率は92%に達する」と紹介する。

 データによると、中国全土に3286社のオンライン貨物輸送企業があり、800万台を超える輸送車両と730万人以上のドライバーがオンライン接続されている。従来の輸送手段と比較すると、オンライン貨物の平均待ち時間は従来の2~3日から8~10時間まで短縮され、取引コストは6~8%削減されている。

 全国に3600以上の倉庫を擁する「京東物流(JD Logistics)」は、倉庫、運輸、配送などの様々なプロセスを統合し、10万社を超える企業に総合的なサプライチェーンサービスを提供し、多くの業界の物流コスト削減に貢献している。

 小型家電メーカー「谷格(Guge)」の創業者・鄭成軍(Zheng Chengjun)氏は「以前は『1つの倉庫からの全国発送』で時間がかかり、コストもかさんだ。今では『地域ごとの倉庫』で、商品は全国8つの倉庫に分散保管され、最寄りの倉庫から発送される。京東物流と提携してから、複数のプラットフォーム店舗の平均配送時間が8時間短縮された。今後は倉庫面積を減らす予定で、コストもさらに大幅に削減できるだろう」と話す。

 今年は、さらに多くの中国の伝統的な物流企業が、現代化されたサプライチェーンへの転換とアップグレードが加速すると見込まれる。物流業界と製造業界はさらに連携され、物流コスト削減の深度と広がりは拡大し続けると思われる。

 中国交通部の李揚(Li Yang)副部長は「今年は、社会全体の物流コスト削減額が3000億元(約6兆1890億円)に達し、実体経済、特に製造業の発展の強力なサポートなり得る」と述べている。(c)PeopleʼsDaily/AFPBBNews