米国を逃れる「難民研究者」第1陣、6月からフランスで勤務
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【4月18日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領が断行する予算削減を受け、米国を離れる研究者の第1陣が、6月からフランスの大学で勤務を開始する。当局が17日、明らかにした。
南仏のエクスマルセイユ大学は3月、米国で予算削減の脅威に直面し、「革新性、卓越性、学問の自由に適した環境で仕事を続けたい」と希望する研究者を対象とした「科学のための安全な場所」プログラムを発表した。
同プログラムには298人が応募。うち242人が適格と判断され、約20の受け入れ枠について「審査中」だという。
298人のうち135人が米国籍で、45人は二重国籍だった。
同大のエリック・ベルトン学長は、「難民研究者」という新たな地位が創設され、より多くの米国人研究者がフランスなどの欧州諸国で受け入れられることを望むと述べた。
「難民研究者」の地位を創設する法案は14日、現在、下院議員を務めるフランソワ・オランド前大統領によって議会に提出された。
エクスマルセイユ大学は以前にも、別のプログラムの下で、ウクライナ、イエメン、アフガニスタン、パレスチナ自治区から計25人の科学者を受け入れたことがある。
同大は、受け入れた研究者が向こう3年間研究を継続できるよう、1人当たり60万~80万ユーロ(約1億~約1億3000万円)の予算を確保している。
エクスマルセイユ大学によると、応募者の前職は、ジョンズ・ホプキンス大学や米航空宇宙局(NASA)、エール大学、スタンフォード大学、コロンビア大学、ペンシルベニア大学など、さまざまな米国の大学や機関だという。
選考委員会は23日に会合を開く。その後リモート面接を経て、6月上旬に研究者の第1陣がフランスに到着する予定。(c)AFP