外国資本は中国から大量に撤退しているのか
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【4月18日 Peopleʼs Daily】最近、「外国資本が中国から大量に撤退している」という人がいる。また、2024年1年間、中国で実際に使われた外国資本の金額は前年比27.1%減少し、その一方で、新規に設立された外資系企業の数は前年比9.9%増加したというデータがある。
一方で減少し一方で増加したこれら2つの数字は、矛盾しているのだろうか?
この疑問に答える前に、まず1つの話を紹介したい。
米国系の世界最大規模のスーパーマーケット「ウォルマート(Walmart)」は誰もが知っている。中国人はここ数年でこのスーパーの多くの店舗が閉店したと感じており、「ウォルマートが中国から撤退」といったニュースをよく目にする。
しかし、これが全ての真実だろうか?必ずしもそうではない!
会員制スーパーマーケット「ウォルマート・サムズクラブ」は2024年12月18日、浙江省(Zhejiang)温州市(Wenzhou)で52店舗目をオープンした。24年第3四半期、ウォルマートの中国における純売上額は前年同期比で17%増加した。
常に「中国撤退」の噂が絶えないこの企業が、中国市場で売上額を伸ばし続けている。これは矛盾しているのだろうか?
この現象はまさに中国市場の変化を反映している。消費者の需要が個別化・多様化し、地元の小売企業が急速に台頭する中、従来のビジネスモデルは中国ではもはや通用しない。中国市場の変化に迅速に対応できる外資系企業だけが成功を収めることができる。
つまり、時代は変わり、中国市場はもはや以前と同じではなく、中国と外資の相対的な関係にも新たな変化が生じているということだ。
外国資本が中国から撤退すべきかどうかを論じる際には、まず「中国は依然として外国資本を必要としているのか」という問題を考える必要がある。
現在、中国は質の高い発展の新たな段階に入り、資本不足から資本過剰へと変化し、外資導入を重視する段階から「導入」と「資本輸出(グローバル化)」を同様に重視する段階へと移行している。
一部のネットユーザーは「中国は以前ほど外国資本を必要としていない」と主張し、一部の海外メディアはこれを理由に「中国は外国資本を歓迎していない」と主張している。
もちろん、中国の資本の余剰と「グローバル化」は、中国がもはや外国からの投資を必要としていないということを意味することにはならない。
「国内経済と国際経済の両輪の循環」の構築を加速させる上で、外国からの投資は依然として重要な要(かなめ)である。
実際、ここ数年、中国はより大規模でよりハイレベルな自主開放と単独開放の政策を実施してきた。「中国国際輸入博覧会(CIIE)」や「中国国際供給チェーン促進博覧会(China International Supply Chain Expo)」の開催、外資参入の「ネガティブリスト(制限業種リスト)」の縮小、外国投資家への内国民待遇の付与などもその一環である。
外国からの投資が中国市場に参入するためのハードルは継続的に低くなり、ますます多くの中小の外資企業が中国市場に参入している。これが、新たに設立された外資系企業の数が比較的ハイペースで増加している重要な理由だ。
それでは、外資の投資規模が減少したのはなぜか?
産業投資は長期的な視野に立った合理的な経済行動だが、中長期的には様々な要因の影響を受け、その影響によるデータの変動は経済法則にも合致している。
まず、短期的に見ると、中国は21年以降、3年連続で1兆元(約20兆7200億円)以上の外資投資を受け入れ、外資の流入量が大きく、投資のニーズを集中的に満たしてきた。24年に外資の流入が多少の縮小を見せたことも、正常なばらつきの範囲内と言える。
次に長期的に見ると、グローバルな投資はサービス志向型で資産軽量化の傾向を見せている。それゆえ、外国資本の流入規模と外資企業の新規設立数との間には、相反する段階的な格差が生じるのだ。
現在、中国のサービス業分野における外国資本の規模は約70%を占めている。この分野での資産軽量化の傾向は明らかであり、投資規模に与える影響は小さくない。
中国市場における外国資本動向に関する2つの相反的なデータの意味は理解したが、それでは今後、外国資本は中国に対してどのような態度を取るのだろうか?
「次は『中国』で、やはり『中国』だ」、これが多くの外資系企業にとっての共通の思いだ。
今日の中国には、技術的なブレークスルー、人材の蓄積、そして全要素的な生産性の大幅向上があり、それによって「世界の工場」としての価値が向上している。また、超大型市場の需要面での優位性、そして「世界市場」としての広大な発展空間も備えている。
持続的な発展と強い勢いを持つ中国は、海外投資家の目には間違いなく「ホット・スポット」として映ることだろう。
しかし同時に考えておくべきことは、完全競争市場と開放市場の中国では、外資系企業は自社の強みを発揮することによってのみ、やっとその足場を固めることができるということである。中国市場の変化に適応できなかった一部の外国企業は撤退し、技術蓄積がより豊富な外国企業が参入してきているのだ。
近年、米国や西欧諸国の一部の人たちが経済貿易問題を政治問題化し、世界を跨ぐグローバルな投資は低迷を続けているが、これは中国の外国からの投資の受け入れにも大きな問題を突きつけている。
外部環境が厳しければ厳しいほど、中国はさらに質の高い発展と一層高いレベルの対外開放を実行し、海外の不確実性を克服しなければならない。
中国は、開放を堅持し、互恵・ウィンウィンの国際関係を築くことに真剣だ!
「中国とともに歩むことはチャンスとともに歩むこと、中国に投資することは未来に投資すること」、このフレーズはまさに正鵠(せいこく)を得たものである。(c)PeopleʼsDaily/AFPBBNews